海の幸を網元直送 有限会社 昭和水産

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愛媛新聞社
人生讃歌 U・J・Iターン模様

 黙々と手を動かす宮本洋平さん。タイ、アジ、ホウボウ・・・市場から運ばれてきたばかりの鮮魚を1匹ずつ丁寧に、枕氷を敷いた発泡スチロールの箱に詰めていく。「きれいに並べていれば、先方に喜ばれるから」。料理店など送り先の笑顔を想像しながら作業をする。箱には「網元直送」のフレーズ。この言葉が売り文句であり、誇りだ。
 「八幡浜の基幹産業」と言われながら、近年落ち込みが著しい中型トロール船漁。その中トロ漁を営む実家の水産会社に、宮本さんは昨春戻ってきた。
 大学卒業後、精密機械部品メーカーの営業マンとして、東京と長野で5年間働いた。それなりにやりがいは感じていたが、一足先に帰郷していた兄・英之介さん(31)から電話で家業の近況を聞くうち、「トロールの仕事に携わりたい」との気持ちが高まった。
 ところが帰ってみれば中トロ漁は苦境のまっただ中。漁獲量は減少の一途をたどり、漁価安が続く。「悪いとは聞いていたが、ここまでとは思わなかった」
 宮本さんの会社は生産する側でありながら、生き残りのため、自ら小売も手掛ける。宮本さんは店舗での発送作業などのほか、ときには県外に飛び出し、販路開拓にも当たる。「自分のところで水揚げした魚だから、自信を持って『買ってください』といえる。これが営業マン時代と一番違うところ」。”商品”に対するこだわりは人一倍だ。
 今年4月、初めてトロール船に乗って漁の現場を体験した。昼夜の別なく働く乗組員の姿を目の当たりにし、「八幡浜からトロールをなくしてはいけない」。家業への思いをいっそう強くした。

 

(2004.8.5 愛媛新聞掲載)
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