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Ⅵ 魚食・流通の話 アーカイブ

e-マーケットプレイス勉強会

中小企業診断協会主催のe-マーケットプレイスの勉強会に参加しました。地域の一次産業、農商工連携の分野でも成功事例は数多くあるものです。産地と消費地での情報とニーズのギャップ、まだまだ埋める余地は大きいです。弊社も見習わねば・・です!

下関漁港朝市スタート!

下関漁港内にて、土曜朝市がスタートしました。仲卸業者さんを中心に、月1回の開催予定だそうです。
底曳き鮮魚の認知度アップに期待します!

売れない魚こそ

昨日の入港魚種は、マダイにハモ、コウイカ、ヤリイカ、エボダイが中心で1600箱でした。さすがに冷え込んで入荷も少なく、こんな時こそトロール船の役目は大きいですネ。昨日は市場の売りを終えて松山の産業技術研究所まで。魚も少し持ち込んで、ある機械の試作を見てきました。これからは、売れる魚より売れない魚!既存の市場流通では買い支えの効かない魚種の付加価値化が、地域の課題であり当社の課題でもあります。

とった魚は皇軍勇士に

地元の知人よりこちらの新聞記事をご紹介いただきました。ハイフォン港(ベトナム)を拠点に日本軍への食料確保を目的に、南太平洋に向けて八幡浜を出港するトロール漁船の記事(昭和16年4月/大阪毎日新聞)です。“不敵の伊予水軍魂”、“漁業報国”など、国威高揚を意図した語句が、対米開戦半年前という時代を生々しく物語っています。

愛情たまご

海幸丸で使うトロ箱(魚函)を納入してもらっているK水産の奥さまのご実家は養鶏場で、いつも新鮮な卵をいただくのですが、これがかなりの大きさ。(パックに収まらず!)一定のサイズを超えてしまうと、売れ筋から外れてしまうそうで・・。天然魚の世界とまったく同じなんですネ。これもまた、量販店の規格流通に慣らされてしまった現代の生産者の苦悩!?でしょうか。いっそのことTPPで、海も山も大小混合、色とりどりの異種格闘技戦といきますか!?

海幸丸は明日出漁、仁洋丸も明後日出漁予定です!

復興策あれこれ

本日休市、普段にも増して静かな八幡浜です。10月もいよいよ最終週ですが、まだまだ冷え込みが足りないですネ。この季節からの相場の動向がとても気がかりです。

「ウェッジ」という月刊誌に特集されていた漁業権の問題。震災以降、宮城県が掲げた「水産業復興特区」構想のねらいと真っ向から反対する漁協の事情について詳細がリポートされています。宮城県側の意図は、震災で大打撃を受けた水産業を復興させるために、漁業権を民間に開放することで生産者の企業化(大規模・集約化)を進め、地域の水産業を維持していこうとするもの。いっぽうの漁協サイドは、経験とノウハウの不足する民間企業が参入することで、漁獲資源の保護・管理等、長年にわたって継承されてきた浜の秩序(規律と文化)が崩れてしまう、というのが言い分です。
リポートにもありますが、震災で改めて露呈されてしまった(ように見える?)漁業の構造的問題ですが、全国の漁業者数や漁獲量、船籍数の推移等を見れば、三陸に限らず、日本の漁業そのものが震災の前からそもそも危機だったことは確かです。そういう意味では、今回の大きな打撃から立ち直るためには、従来の延長線上での考え方に基づく漁業復興策(漁協側?)では、時間も国費もかかりすぎるような気もしています。そうなると起死回生の抜本的復興策としては、宮城県の提唱する規制改革や民間参入なども進め方によっては、試してみる価値を持つものになるのでは?と個人的には思います。今回の焦点は東北漁業の復興ですが、まったく同じ危機と構造のなかにある西日本の漁業にとっても、まったく他人事ではないだけにこれからの動きに注目したいところです。

6次産業化

週明けです。6月から解禁となった小型トロールですが、ヤリイカは例年に比べて若干型も良い様子でこれからが楽しみです。トロール市でも季節感ある商品と品揃えで、動きのある売り場を作りたいところです。こちら↑は今日の入荷魚種と価格が分かるブラックボード!日毎に魚種や単価が目まぐるしく変わりますので、毎朝、書き換えられるように設置してみました。旬の魚を店頭でぜひご確認くださいませ!

最近よく言われるのが農業、漁業の6次産業化!民主党政権になって、産地の一次産品に付加価値化をつけて競争力強化を高めようとの流れで、言われ始めた用語です。生産者や生産者組合の川下分野へのいわゆる垂直統合ですが、国の政策としても推進されていますし、水産白書等にも出てくるようになりました。ただし、日持ちのする産品を扱う農業に比べれば、1日で商品を捌く必要のある水産物の分野ではまだまだ6次産業化への取り組みは遅れているというのが印象です。
そもそも獲るのが専門!の漁師に、加工や販売がなじまない、不得手というのも要因ですが、手間と労力がかかるためにやりたがらないというのも産地で進んでいかない理由ではないでしょうか。それでも、今のままの市場流通のみでは、不人気の魚種の単価は下がっていく一方ですので、やはり抜本的な付加価値化への流通改革(6次産業化)が、漁業存続のためにも急務だと思います。
もちろん私たちの小売店舗や加工品開発・販売もそのための一環で、今後も水揚げ魚種がある限り、付加価値化への取り組みを拡大していく必要性を感じています。まだまだ小さな仕事の積み重ねですが、続けていけば何年後かに本業(漁業)を支える柱にもなるはずですので。朝から熱いブログとなりましたが、週明けということで・・。今週も張り切っていきましょう!!

入口なければ・・

今月のトロール市からの頒布会は、特殊冷風乾燥機で仕上げた生の一夜干しです。今日、明日で出荷の予定です。これまでの宇和海一夜干しとは少し違って、ふっくらとしたソフトな食感、そしてフライパンでも美味しく焼ける手軽さが特徴です。皆さま、ぜひご感想をお寄せいただければ幸いです。

数日前から、独自の販路開拓を進めていた近隣漁協の債務超過の話題が明るみになっています。長年、地元で水揚げされるアジやサバを中心にブランド販売に取り組んでいましたが、このわずか10年足らずで地元の漁師さんも減りに減って水揚げ高は3分の1以下に・・。諸々の要因はあるのでしょうが、本来であれば、価格下支えによる漁家収入アップ(組合員・生産者支援)を目指すべきところが、いつの間にか漁協自体が単独で販売会社化してしまって、生産者支援をなおざりにしてしまったようにも見えます。また、地元の水揚げが減少すれば、直販の規模も自ずと縮小するはずですが、直販部門への諸コストを売上規模を維持して賄おうとするならば、他産地からの素材供給にも頼らざるを得なくなるはずで、ますます商品品質やブランド力、コスト競争力の維持が難しくなって悪循環に陥ってしまったようにも感じられました。
生産者(漁師)の激減による市場取扱高の減少は全国的な問題ですが、これ以上生産者を減らさない、という危機感を持って市場全体で取り組んでいる港はあまり多くないような気もします。もちろんこの漁協に限らず八幡浜においても同様ですが。漁業就労者の高齢化もさることながら、唯一の生産手段である漁船の老朽化も将来の漁業存続を考えるとかなり深刻です。「入口なければ出口なし」で、獲る人が存続できなければ、売る人、買う人、運ぶ人も年々パイは小さくなるわけで・・。そうなれば当然、大規模な水揚げ施設も不必要です。仕事としての漁業の存続ということを考えると、今回の震災も将来的には大きな影響を及ぼしそうです。どう案じても、今できることしかできない、というわけで、漁業が少しでも長く続けていけるように、まじめな商品づくりと付加価値化で価格下支えに取り組みつつ、後継者育成を図っていくしかないと実感させられた記事でありました。

魚の便利帳

書店で三男にねだられたのがこちらの本、「魚の便利帳」!目下、勉強中です!
季節の魚の美味しい食べ方や料理法に合わせて、漁業や水産流通の世界の時事ネタも豊富です。

「からだにおいしい魚の便利帳」(藤原昌高著/高橋書店)

地魚利用研究会

海幸丸は今朝本船入港、10月2度目の航海でした。新しいヤリイカ漁場も解禁となっていますが、相変わらず成長が遅い・・、今季乗り出しの資源状況は2年前のシーズンに似ているのですが、それでも10月初旬にはもう少し成長して「立ヤリ」が目立っていたはずなのですが。相場も今年は異様な低迷が続いていますので、何とか価格下支えの仕組みを考えねば・・とあらためて感じております。

そんな中ですが、昨日は愛媛県水産課が主催する「地魚利用研究会」に初めて参加しました。沖底で水揚げされる低利用魚を使った加工品を開発しようとの取り組みで、地元の食品メーカーや料理研究家の方々のご協力により、今回15品を試食させていただきました。
ハモカツに各種タイの姿めし(まるごと食べ鯛)、魚うどんにヤリイカ珍味、イカの削り節等々、アイディアもいろいろですが、同じく味もいろいろでした・・!?それでもこうして、関係者の皆さまのアイディアを持ち寄って意見交換できる場というのは貴重なもので、これからの水産活性化のためには欠かせない場だと思います。

歴史的に鮮魚の中央出荷主体でやってきた八幡浜の弱みは、やはり付加価値を高める加工産業が練り製品以外にないこと。そして、地域一体となってのブランド化等も含めた販売戦略が皆無であることだと個人的には感じています。さすがに販売は漁協まかせ、という時代でもありませんので、できる取り組みは小さなことからでも自社で行っていくべきだと思います。最初は個別でも各社の取り組みがつながりを持てば、活性化につながるインパクトを持つ事業に成長させていけるのではないでしょうか。

今月に入っていろんなご縁もいただいてただただ感謝です。社内でも皆で知恵を出し合いましょう!!

椎名クン、おねがい!

朝から会議や電話、来客に書類整理と久しぶりに慌ただしく過ごしています。明日は海幸丸入船、午後からは農水省で翌日行われる太平洋広域漁業調整委員会のため再び上京しまして、土曜に戻ってくる予定です。気づけば今日は誕生日、まったく実感ないですが・・。アラフォー万歳!

突然ですが、椎名クン、質問です。

イルカは大きくなったらクジラになるんですか?

クジラの子どもはイルカですか?

私、どうにも合点がいかないので分かりやすく教えてください!ヨロシク!

流通のボトルネック

続く時化のため、魚市場にも入荷が少ない状態が続いていています。こんな時こそ沖底の出番なのですが、現在の漁場(鹿児島・宮崎沖)ではピストン航海というわけにもいかず、入港は週明け(日曜)の予定です。今日は久しぶりに終日会社にて仕事をしておりました。夜は駅伝練習ですが、まだマラソンのダメージは癒えていませんので、調整にさせていただければと・・。

先日、山口にてとある水産加工会社を訪問させていただきまして、あらためて感じたのがボトルネックとなっている国産原魚加工の問題です。自給率が70%を保っていた時代は、各産地には加工専門の会社があって一次処理した水産品を国内の練製品メーカーや2次加工業者に流通させていたのですが、今や鮮魚の一次処理のみを請け負う産地加工業者は皆無とのこと。背景には、良く言われる冷凍技術の進化と廉価な輸入冷凍水産品の増加、あわせて処理工場に求められる衛生基準の高度化があるようです。
塩干物や練製品のメーカーにとってみれば、製品差別化のために国産天然資源を使いたくても、自社で一定量の内臓処理加工をするためには、衛生基準を満たすためにかなりの設備投資が必要となるそうで、そのコストが、国産物から輸入冷凍品へのシフトに拍車をかけているようです。もちろん不安定な国内原料に対する人員と手間の負担という問題もあるわけですが・・
水産加工会社にしてみれば、規模が大きくなればなるほど生産や販売においても規格化が進むため、国産離れ、自社加工離れが進むという現実もあるようです。そうなれば、自社で下調理を賄えるのは家業的な老舗メーカーだけということになりますが、相対的に流通量も少なく自給率を向上させるだけの量売りは拒否するメーカーが大半かと思われます。せっかくの貴重な国内天然資源が確保できても、価値を高めて価格を下支えする方策が施されないまま、漁船は老朽化すると同時に乗組員は高齢化して、漁業技術を継承することなく衰退してしまっているのが今の現状ではないでしょうか。
あらゆる漁業の種類が共存共栄を図るのがベストであって、大規模漁業だから悪いという理由だけで遠洋漁業や沖合漁業を排除してしまえば、自給率向上どころか国内で消費される天然資源の確保すらできない状況になるのではないでしょうか。消費が今の状況ですから、日々の相場の良し悪しに頼るのではなく、産地漁業者や市場が連携して地道にでも漁獲物の一次処理による価値向上や販路開拓に取り組むべきだと思います。全国漁業者の平均船齢を考えれば、本当に残された時間は少ないはずです。ここ最近ではいろいろな支援策もありますが、私たち漁業者でも出来る取り組みは今すぐにでも取りかからねば・・と思っております。新しい魚市場が廃墟にならないように!?知恵を出し合いたいものです。

マグロと思いきや!?

昼は晴れ間も見えますが、引き続き低い気温が続いています。水エソ中心の漁が続いていますが、現在のところ漁模様は今一つのようです。昨日の取引では、水エソに昨年のピーク時を上回る価格がつきました。魚市場内には雪やあられも舞い込んで、久しぶりに最盛期らしい雰囲気のセリとなりました。

水エソは底曳き網で漁獲される最高級の蒲鉾原料ですが、魚体が25cm程度と小さく、加工に手間とコストがかかるため、最近は魚体の大きいヒレナガや石エソがより好まれるようです。蒲鉾メーカーの方もよく言われますが、板付きの紅白蒲鉾が飛ぶように売れたのは昔のことで、今はメディアの影響もあってか、割合としてはじゃこ天の製造販売にシフトしているそうです。それでも底曳きの水エソが年末に高値で取引されるのは、昔ながらの製法を守り続けているメーカーさまが、今なおいらっしゃるおかげです。
どの業界でも同じですが、技術の継承は短期的には市場原理と相反する場合も多いのでしょうが、こんな時代になればなるほど伝統的な製法や匠の技術というものが、もっともっと評価されて良いのではないでしょうか。

ここからはそんな老舗蒲鉾業者様とはうって変わって、とんでもない海外ビジネスについて・・

先日の産経新聞には、目下世界的にブームとなっている“すしレストラン”のDNAテストについてのコラムが載っていました。いわく、ニューヨークとデンバーのレストラン31店で実施したDNAテストでは、「ビンナガマグロ」、「ホワイトツナ」と表示されていた9つのメニューのうち、5つは、“バラムツ(アブラソコムツ)”という深海魚だったとのこと。以前、このブログでもご紹介したことがありますが、バラムツとは消化によくない油分が多く、下痢を起こすため流通が禁止されている深海魚なのです。脂が多いため、提供側からすればマグロの代用品という認識なのでしょうが、お客さんからすれば恐ろしい話ですね。世界的なすしブームの裏では、顧客側の商品知識が希薄なのをいいことに、こんな杜撰な流通もまかり通っているという信じられない現実です。

市場主義の弊害と言ってしまえばそれまでですが、そんなメニューが日本の伝統的食文化として世界に広められているとすれば大きな問題です。農産物のように生産地が特定できないために、いろいろと問題の多い天然魚介類のトレーサビリティですが、プロとしてサービスを提供する以上、事業所側には一定の道徳観に基づいた情報開示が求められます。
私たちも漁業者ですが、直売所では商品について産地や味や調理方法を聞かれることも多いわけで・・。年末の大売り出しを前に、もう一度商品知識についての確認と意識の統一も徹底しなければ、と感じた次第です。

今日はこれより年末に向けてトロール市のミーティング、夜は海幸丸本船入港の予定です。

マルニのさつま

11月も後半とは思えないほど、ポカポカの上天気の八幡浜です。中トロ漁もいよいよ最盛期ですが、これからの天候如何が漁の出来を大きく左右するだけに、この陽気はやや心配です。海幸丸は明日入港していったん休みを取る予定です。

さてコチラ↑、皆さま、何だかお分かりでしょうか?

愛媛県の南予地域、八幡浜・宇和島の郷土料理“サツマ”です。焼いてほぐした魚の身と麦みそを合わせて作る料理で、こちらではスーパーにも並んでいるほど一般的な料理です。といいましても、魚離れの進む最近では、原材料から全て手作りでサツマを作る家庭はかなり減っているかとは思いますが・・

原料には、タイやアマダイ(コズナ)、カマスなどがよく使われますが、我が家では昔からトロール船で獲れるカマスを使ってサツマを作ります。先代社長(父)も大の好物でして、水揚げされたカマスの中から“キズもの”や網に刺さって頭の取れてしまったものを選んで持ち帰っては、せっせと作っていたものです。前社長直伝のサツマは、今は私のカマス、いえ家内に受け継がれておりまして、カマスがよく獲れる季節にはまとめて作らせています。もちろん私は食べるだけです・・

今季は解禁からヤリイカ漁が続いているため、原料となるカマスが少ないのですが、先日の入港魚種の中から調達して、久しぶりに作ってもらいました。以前から弊社の直売店(トロール市)でも売れないものかと考えていまして、このたび企画スタッフのN君(岡山出身)にも味や保存の具合を見てもらい、商品化を検討することにいたしました。冷凍すると微妙に味が変化する関係から量産出来ないため、まずはイベントなどでの数量限定での販売から始めてみたいと思っています。

すでに市販の製品も数種類ございますが、原料のカマスがふんだんに使えるのは漁業者ならでは!荒削りかもしれませんが、漁師風家庭の味と手作り感を打ち出せればと思っています。

我が家ではこんな感じでシンプルにネギだけ散らして食べています。酒飲みの私でも、このサツマのときだけはお酒よりもご飯が進みます。好みに応じて、刻んだこんにゃくを混ぜる食べ方もあります。汁物のため、パッケージや内容量が難しいですが、いろいろと試行錯誤してみようと思います。

久々の(前は何でしたっけ?)マルニのヒット商品になるか・・!?乞うご期待!

本日これより、魚市場整備実行委員会です。

海の男のお魚さばき方教室

今日は、八幡浜市と弊社がタイアップした「海の男のお魚さばき方教室」の第一回目でした。弊社単独ではすでに何度も開催しているさばき方教室ですが、今回は広報面で八幡浜市にご協力いただいたおかげで応募殺到・・!抽選にて約20名の皆さまにご参加いただきました。講師はもちろんお魚マイスター、白石店長!アジ、ヤズ、スルメイカ等を体験していただきましたが、皆さん、楽しんでいただけたようで何よりです。

毎月第三日曜の定期開催ですので、どんどんバージョンアップして魚食普及につなげていきたいと思います。皆さま、魚の技術は一度覚えたら一生もの!ぜひご応募をお待ちしております!

ニギスの刺身

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昨晩は豊漁だった格安のニギスを刺身でいただきました。今回のニギスは鮮度もまずまずで、透き通った淡白な味ながら、脂も乗って美味でした!漁師の間ではよく食べる刺身ですが、一般的には認知度低いでしょうね~。こちら、携帯のため画像今一つでスミマセン。実物はもっと美味しそうなお刺身なんですヨ!

それにしても、先日の発表では八幡浜魚市場の取扱高もいよいよ50億すれすれ!漁獲は若干伸びたものの、魚価は下がって全取扱高は減少したようです。未曾有の危機と言いながら、販売不振、つまりは魚価安を不況のせいばかりにも出来ないと思うのです。八幡浜魚市場には、毎朝魚が揚がってきて当然、という時代はとっくに終わりました。それでも関係者の多くは旧態依然の仕事内容・・、というよりも、多くは仕組みの問題のようですが・・。
小魚といえども限りある貴重な資源、消費地市場向けの単なる商材として見るのではなく、最終消費者の食卓シーンをイメージすることで、付加価値化の方向性は限りなく広がるはずです!私たちの漁業を含めて課題山積の流通業界ではありますが、まずは自社でできることから地道に取り組んでいきたいものです!

最近、以前にまして内輪ネタが多くてすみません。
今夜はサラリと更新、と思っていましたがついヒートアップしてしまいました・・。

リスクと向き合う経営

海幸丸は4:00入船、ニギス、ゼンゴに白ムツ、赤ムツ等々、総数は1800箱でした。加工原材料の相場はベッタベタですが、おかげでトロール市での製品加工は急ピッチで進んで(進むはず!)います。助っ人のお二方、ありがとうございました。一躍有名人となった椎名クンも無事に帰還、上は、収集した珍魚を大事そうに箱詰めする椎名クン、見つめるのは浜田漁労長とお迎えにきた学校関係者です。ややあきれ顔です・・、椎名クン、お疲れさまでした。

今朝の日経新聞「200年企業―成長と持続の条件」に、遠洋漁業会社「福一漁業」の記事が掲載されていました。江戸期創業という老舗ですが、技術革新と漁場の調査・発掘を繰り返しながら成長を図ってきた革新の歴史が紹介されています。「漁業はリスクのかたまり」、「攻めの経営の一方で極力リスクを抑える」ことを経営の主軸に置いてきたとのこと。近年は、原魚の付加価値化のために、冷凍加工施設を建設、さらに水産物を料理店や消費者に直接販売する拠点も複数展開しています。これらの取り組みは全て「価格決定権を自ら握る」ためだそうです。現在は事業構造の転換を図り、漁労部門が年間売上高(200億円)の3割、残り7割は販売部門が占めるそうです。
「とるべきリスクはとり、排除すべきリスクは排除する」、規模は全く異なりますが、生き残りへの方向性としては、まさに当社の目指すものに一致します。自然環境に大きく左右されてしまう、すべての漁業者の生き残り(革新の方向性)を考えるうえで、格好のモデルではないでしょうか。いろいろと情報を集めてみたいと思います。

福一漁業(焼津市)
http://www.fukuichi-world.jp/index.html

イメージ払拭第2弾!

今日の八幡浜は昨日とは一転、突風も吹き荒れる1日でした。せっかく咲き始めた桜も一気に散ってしまいそうな勢いです。海幸丸は明日入港予定ですが、現在のところ漁は今一歩・・、最後の踏ん張りに期待したいと思います。私は明日から一泊で下関へ出張予定です。

一昨日ご紹介したトロールのイメージ払拭、続いての第2弾はトロール物の魚の鮮度です。
一般的に、網ものは釣ものに比べて鮮度が悪い、というイメージがあります。たしかに網で獲る魚よりも釣った魚の方が、痛みも少なく見た目もきれい!ですが、魚の鮮度は何も漁法だけではなく、獲られた時の状態や水揚げされてからの時間や処理方法など、総合的な要素で判断されるものです。
2艘曳きトロールの場合でも、長崎や下関など航海日数が長い操業形態もあれば、こちら八幡浜のように平均2日という短い形態もあります。同じトロールもののタイやヒラメにしても、網で擦れたものもあれば、活魚で売られるものも沢山あるわけです。そういう意味では鮮度もマチマチなわけで、網だからといって一律に“モノが悪い=焼き物・鍋用”というのはあたっていません。
釣りには釣りの、巻き網には巻き網の、底曳きには底曳きの存在価値があるわけで、同じマダイでも味や価格、水揚げ量や規格も三者三様、それぞれの良さ(価値)があるのです。どんな魚も使われ方ひとつ・・、これぞ一魚一会の精神ではないでしょうか。

こちら海幸丸のトロ鯵!
トロールでも立派に刺身になる鮮度の鯵も水揚げるされるんですヨ!

トロールのイメージ払拭!?

昨日まで気温も低かったのですが、今朝からは春らしい陽気!海幸丸もいよいよ今季最終月の航海へと向かいました。狙いはやはりエボダイ、週明けから原材料系の需要も落ち着いたようですので、丸物に期待したいと思います。

「トロール船」といえば皆さま、どんなイメージをお持ちでしょうか?
先日も知人との話題に上ったのですが、トロール漁といえば「一網打尽」とか「根こそぎ」というイメージがかなり強いようです。たしかに陸から少し離れた沖合まで船を出して、大きな網を曳く漁ですから、小型船に比べればまとまった数量が水揚げされる漁業であることはたしかです。
ただ、網の仕組みは大きいものの2隻で一つの網を曳いて操業するわけですから、網の間口はせいぜい5m程度、一回の曳網時間は2時間から3時間で、網で獲れる魚も数十種類に上ります。いろんな魚が少しずつ網に入って選別する、その繰り返しで漁を行って箱数を確保するのが“トロール漁の操業形態”です。
大きな網を海底から曳く、というイメージが「一網打尽」や「根こそぎ」、ひどい場合は「乱獲」?につながるようですが、実際のところはそのイメージとは程遠いのが現実なのです。加えて1年のうち4か月も休漁期を設けているのはこのトロール漁だけ、実は「乱獲」ともほど遠い“資源配慮型”の漁業ともいえるのです。これは一統あたりの漁獲数量が、長年大きな変動もなく安定していることからも裏付けられると思います。
実際、“一網打尽”というほど魚がバンバン獲れるのであれば、そもそもここまで稼働隻数が減ることもなかったはずですから・・。それでもトロールといえば乱獲や、信じられん!という方は、ぜひ一度、海幸丸に乗船いただければと思います。会社側としては、時には、“一網打尽”という“当たり”も逆に期待したいものですが・・!?

世界同時不況の危機に・・

今朝はは4:50の入船、荷揚げ・セリ後は、急きょ一件、宇和島まで納品と営業に行ってきました。ついでに、実習船「えひめ丸」の船内もご案内いただきました。まだまだ船齢の若い船だけに、設備も弊社の船とは比べものにならないくらい充実・・、船長、貴重な体験をありがとうございました。ただ今、流通や漁労機器等の面で、“プチ産官学共同”!?のような取り組みを行っているのですが、まずは小さくとも芽が出るように、一歩ずつ進めていきたいと思います。

それにしても、ここ最近はテレビを見ても新聞を見ても、話題は不況やリストラ等々暗い話題ばかり・・。

そんな中で、農漁業に関する起死回生の不況打開案?を目にしましたので少しご紹介を・・

先日の産経新聞紙上「正論」(2/6)で、榊原英資氏(現・早稲田大教授)は、この世界同時不況の危機に対する打開策として、食糧・エネルギー分野への集中投資を行うことを主張されています。いわく、従来型のオーソドックスなマクロ政策は有効ではなく、中長期の視点で本物の産業構造改革が必要とのこと。そのためには、近い将来まちがいなくエネルギー不足、食糧不足の時代が到来することを見据え、この2分野に集中的に財政資金を投入して、活性化を図るべき、との論です。今こそ、原子力発電や風力発電の実用化へ向けた産業育成、また食料自給率60~70%を目指して、大幅な食糧増産計画に着手することで、株式会社の参入や雇用の拡大を目指す時期ではないか・・と。
私たちに関係する食糧の分野でいえば、大手企業の農業への参入は徐々に広がりつつあるようですが、水産業、特に自給率向上に貢献できるような、天然漁業への参入事例はまだまだ少ないのが現状です。環境保全のための規制や、持続的な資源管理の大切さはもちろんですが、廃業や業種転換等で減ることはあっても増えることのない日本の漁業権の仕組みの中で、いかに既存の漁業経営体を維持して漁獲物の増産を図って、自給率向上につなげていくか、川上から川下まで、課題は本当に山積みです。私たちも少しずつですが、勉強・実践を積んでまいりたいと思います。

馬鹿と相場には勝てん・・のか?

海幸丸はけっきょく台風13号のため昨日夕方帰港、そのまま荷揚げを行い漁獲物は今朝のセリにかけられました。今回ご縁をいただいたマイナー鮮魚の販路開拓仕掛け人、S社長にも海幸丸の荷揚げ・セリを見ていただきました。社長との2日間の打ち合わせの中で、私たち漁業者にとっても、今後の取り組みに欠かせないアイディアと多くのヒントも頂戴しました。まずは地道に魚の持つ価値を引き出すべく、お互い協力しながら一歩一歩進みたいと思っています。

「バカと相場には勝てん!!」

まさに毎朝の漁師の決めゼリフ!ですが、収益、ひいては経営にとって一番大切な“価格決定”を100%他人に委ねる時代は、本当に終わりに近づいていることを改めて感じさせられた2日間でした。もちろん漁業者と消費者ともにこのあたりが限界点、という意味でですが・・。
水産物の場合、特に市場流通では中間業者があまりに従来の商慣習にとらわれすぎて、新しい“機能”(加工や商品開発、情報付加等)を身につける努力が足りないのでは?同時に私たち漁業者も、荷受(市場)に“おんぶに抱っこ”で全てを任せすぎていて、付加価値販売への意識が希薄すぎる、ということに尽きます。
今回ご縁をいただいたS社長の目指す、“マイナー鮮魚の販路開拓”は、まさに両者に不足する資源を補完するもので、漁業という全国津々浦々にある稀少な文化伝承にも寄与する可能性と広がりをもった取り組みといえるのではないでしょうか。詳細については、近日放映予定のTV番組“ガイアの夜明け”を待つとして、S社長の情報収集・発信力と魚、そして産地への愛情には正直頭が下がります。

業界関係者、またTV放映を待ちきれない、という方はこちらをどうぞ!

http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview080923.html
http://prospar.web.fc2.com/

こちらは今朝のセリで値が付かず、売れ残ってしまいそのまま買い取ってもらったホウボウ・・。
工夫と使い方次第でいくらでも利用価値はあるのですが・・!

マイナー魚にこそ光を!

昨日は久しぶりにスコールのような雨も降ったせいか、今日はいくぶん暑さも弱まった感もある八幡浜でした。それでも日中の外での作業は油まみれに汗まみれ・・、今日は行方をくらましていた浜田漁労長の元気な仕事姿も久しぶりに見ました。出漁準備も終盤へ、引き続き熱中症には注意して張り切っていきましょう!上はブログに挑戦中の白石店長、こちらも気長にコツコツいきましょう!皆さま、ご支援のほどよろしくお願いします。

原油高の影響でマスコミに登場する機会が一気に増えている漁業や鮮魚流通業界、消費地の量販店や流通業者の間でにわかに注目されているのが、未利用魚(マイナー魚)の販路開拓です。産地の漁港では普通に食卓に上るマイナー魚でも、消費地まではなかなか出回る機会が少ないのが現状です。
やはり一般消費者に馴染みのある魚種、タイやヒラメ、タコ、イカ、ハマチといったものは陳列しても自然に売れていくのですが、耳慣れない魚種やグロテスクな容姿の魚を消費者に販売するのはなかなか大変です。実際私たちも、営業の現場で販売先のバイヤーやシェフから、「名前を知らない魚はなかなか売れなくて・・」という声もよく聞かれます。こちらも地元での料理法や食べ方もお伝えするのですが、末端の消費者に受け入れられて、常時ご注文をいただくようになるまでには、実に多くの時間と労力を要するのが現実です。
先日読んだ日経MJによれば、我が国漁業者の漁獲物の約3割はマイナーな未利用鮮魚!?という推計もあるようです。特に120種類を超えるといわれる私たち底引き漁業の世界では、魚種ベースですと半分以上が鮮魚扱いではなく、加工品の原材料としての用途ではないかと思われます。言ってみれば、すでに認知されている鮮魚のさらなる付加価値販売も大切ですが、認知度の低い未利用鮮魚、マイナー鮮魚を流通に乗せていくほうが、流通改革に与えるインパクトは大きいのです。これまでタダ同然で売られていたマイナー魚に価値、価格がついて店頭に並んでいくわけですから、当然、漁業の改革、ひいては魚食普及や自給率改善にも寄与していくはずです。
ただし前述のとおり、名もない魚を流通させていくには、その価値をお客さまに伝えていく地道な努力が必要で、そのためには何よりもいろんな魚、料理への興味や探究心(愛情・愛着か!?)を持つことが必要なのではないでしょうか。「売れないから置かない・・」ではなく、「売ってみせよう ホトトギス?」の心意気!こそ漁業・流通改革の第一歩だと思います。メジャーな魚を大量に販売することも大事ですが、これまで光のあたらなかったマイナー魚にこそ価値を見出し、消費者の皆さまに伝えていく“一魚一会”の取り組みこそ、漁業に携わる私たちの使命だと思っています。

構造問題解決へのバネに

「一斉休漁」から2日たって、ようやくマスコミの露出という点ではピークも過ぎた感があります。今回の騒動で改めて浮き彫りになったのは、漁業、そして水産物流通という産業の「高コスト体質(構造)」でした。未曾有の資源高時代を迎え、私たちのライフスタイルや社会システムに見直しが迫られているように、漁業もこれを機に構造改革が必要です。そういう点で7月17日産経新聞「主張」は、まさに的を射た正論ではないでしょうか。さすが産経新聞!!以下に全文を掲載してみます。

産経新聞「主張」  ―構造問題解決へのバネに―

漁船の燃料費高騰に漁業者から悲鳴が上がっている。15日には全国のほぼ全漁船に当たる20万隻が一斉休漁し、窮状を訴えた。昨年比で倍、5年前に比べると3倍もの上昇は確かに深刻だ。
全国漁業協同組合連合会(全漁連)の試算だと、このままの高騰が続いた場合、漁業就業者の4割近い約8万5000人が廃業に追い込まれるという。
だが、一斉休漁は抜本的な解決策にならないばかりか、長期的には消費者の魚ばなれがさらに加速するだけだろう。事実、今回の休漁でも魚価は一時的に上昇はしたものの、漁業者の収入増には結びついていないのが実情だ。
全漁連などは、コスト上昇に見合う魚価対策などとあわせ、政府による直接補填(ほてん)も求めている。
しかし、これにはさすがの農林水産省も及び腰だ。原油高騰で苦しんでいるのは漁業者だけではないからである。漁船用燃油のA重油は、すでに減免税措置があるだけになおさらだろう。
漁業は総コストに占める燃料費比率が3割超と他産業に比べ大きいのは確かだが、いまだ一匹狼(おおかみ)的な古くて非効率的経営が続いていることも、原油高に振り回されやすい体質となっている。こうした構造的問題の解決こそ先決だ。
漁業者間の話し合いによる計画操業などは、もっと進められてよい。個々の漁業者がわれ先にと争って同一漁場に群がる現状では、互いの足を引っ張るだけだ。魚価の安定にならぬばかりか、乱獲による資源枯渇にもつながる。
省エネ対策も急務だ。底引き網漁船では1ノットの減速で最大3割の燃費節減が可能という。イカ釣り船では集魚灯の光源を省電力型の発光ダイオードに変える工夫も始まっている。
政府もこうした先進的取り組みを行う経営体には積極的な支援を惜しむべきではなかろう。
水揚げから店頭まで4段階の仲買卸業者が介在するという独特な流通システムも見直せないか。地元の魚は地元で消費する「地産地消」の推進も流通コスト削減の上で重要だ。
途上国の人口増、先進国で高まる健康志向などを背景に、魚の消費量は世界的に増えている。いくらでも安い魚を輸入できた時代は終わった。それも国内漁業には追い風だろう。危機を嘆くのではなく、再生に向けたバネとする知恵と努力が求められている。

産経新聞「主張」(2008年7月17日)より

見えぬ対策、募る不安

所用で朝から松山往復でした。昨日の全国一斉休漁で、テレビと新聞では漁業の話題が盛りだくさん、今日は八幡浜魚市場(弊社トロール市にも?)にも取材が入っていたようです。この情勢でも、小型トロールで漁獲好調のヤリイカも価格は低調気味、タイトルの「見えぬ対策、募る不安」は今日の日経新聞四国版の見出し!まさにタイトルどおりの心境です。

岡山に住む、同世代・同期登録の中小企業診断士の友人からはこんなメールをいただきました。
漁業・流通に関する話題ですので、メールのやり取りをご紹介させていただきます。

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宮本さん

お久しぶりです。お元気ですか。
中国地方もようやく梅雨明けが発表されましたが、しばらく前から真夏の天気ですね。

一斉休漁がマスコミで話題になっているのを見て、宮本さんの会社が以前より直販など先進的な取組みをされていることを思い起こしました。
新聞で読んだところ、水産物の小売価格に占める生産者の受取額は24%とのこと。私は水産業については素人ですが、業界の高コスト体質を改革してこなかったことが、こういう事態に直面したときに脆さとなって現れるのかなと思いました。国にお願いして燃料費高騰分を補填してもらうといったことは、かえって改革を遅らせることになるような気がします。

宮本さんは今回の一斉休漁や今後の見通しについて、どのようなお考えをお持ちですか?
またお時間のある時で結構ですので、専門的な見地からのご意見等教えていただければと思います。
実際、今はほとんどの業界で厳しい状態ですよね。ゴルフ業界でも、全国的にかなり落ち込んでいるようです。ウチのショップでもクラブなど高額品の売れ行きダウンが響いています。それでも、なんとかやっていかなければならないですから、こういうときに経営者の力量が問われますよね。

製造業などで、価格転嫁できているところは出荷量がダウンしてもなんとか利益を確保できているようですが、価格転嫁できないところはほんとに厳しいと思います。一方で、ガソリンが高いのは困りますが交通量が減るのは環境のためにもいいことかなと思ったりします。世の中全体が変わっていかないといけないんでしょうね。

それではまた。

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以下、私からの返信です。

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Kさん

ご連絡ありがとうございます。こちらは一足先に梅雨が明け、毎日猛暑が続いております。
毎晩、ビールの消費量ばかりが増えてしまう今日この頃です。

さて、マスコミを賑わしています「全国一斉休漁」ですが、私の従事する沖合トロール漁業は、5月から8月はもともと休漁期で、15日に合わせて特別に船を係留したり、デモに参加したり、というわけではありませんでした。マスコミでは、鮮魚の供給量が不足して価格が高騰する、というようなこともいわれておりますが、私の見る限り、今回の「1日休漁」でそんな事態にまで至らない、というのが正直な感想です。

やはり今回の一斉休漁行動は、漁業者の窮状を政府や国民に訴える、つまりアピール行為にすぎないというのが関係者の大方の見方です。 現実に全国の漁業者が1日休んだくらいでは、卸・小売双方、前日の仕入や在庫の調整でいくらでも対応可能で、消費地での魚の消費に影響が出るところまではいかないはずです。

おっしゃるとおり、小売価格に占める水産物の生産者受取額は24%だそうで、高コストの流通構造を証明しているともいえます。昨晩のテレビでは、たしか農産物は45%だそうで、農業と漁業では生産者の手取り収入にかなりの格差があるとのことでした。

もちろん今回のデモで主張しているように、原油高騰分の直接補てんなどありえるはずもないですし、そんな措置をとれば、業界の体質改善や流通改革を遅らせることになって、将来にわたって水産業全般の競争力を弱めてしまうはずです。ただし、かといってこのまま放置しておけば国内の大半の漁業者は廃業するわけで、こんな時こそある意味、政治の腕の見せどころでは・・という気もします。

最低限の食料自給率の確保は先進国の危機管理、国策の一つであるはずですから、農漁業は100%市場原理の中だけでは位置付けられない、というのが私の考えです。たとえば、市場での漁獲物の最低価格保証制度や省エネ船への改良への支援、高齢者雇用等の人件費負担への支援制度等などは早急に進めるべきではないでしょうか。中小企業支援施策と同様に、一律補助というのは愚の骨頂で、やはり将来にわたって漁業に取り組んでいく意欲のある事業者への支援を厚くすべきだと考えています。

ただ今回のような緊急事態の場合、スピードという点では、やはり「縦割り行政」がネックとなるようです。
昨日のテレビでしたか、気仙沼の首長は、今回の原油高を踏まえて、港湾振興への予算を水産振興に切換えることを3年間提案し続けている、とのことでした。これなどは、漁業を基幹産業とする市の代表としては、先見性のある適切な主張ではないでしょうか。

私の住む八幡浜でも、現在130億円の国費を投じて港湾振興ビジョンを推進中ですが、やはりハード重視で、上に挙げたような意欲ある漁業者を支援して、将来にわたって生産物(魚)を減らさないための予算措置は、残念ながら皆無です。
流通の一番川上にある漁業者がいなくなれば、その先の市場や卸業者は必要ないわけで、産地ではこの際、仕事や立場の枠を超えて、将来にわたって漁業者と魚を減らさないために、団結して早急に知恵を絞るべきではないでしょうか。

以上が、今のところの私の考えです。マスコミではいろんな漁業者が取り上げられていますが、実は私たちの沖合トロール(2艘曳き)は、経費に占める燃料の割合がかなり高い漁業の一つです。原油の価格は一事業者ではどうにもできないため、できる努力や工夫、具体的には操業形態や漁場選定、省エネ改良や直販(加工)、付加価値販売等、統制可能な取り組みは最大限やってみよう!というのが、私たちの会社の考えです。

乱文失礼しました。この話題だけは、なかなかメールの文章でまとめ切れるものではありませんので、今度またお会いして、ゆっくりとご意見も伺いたいものです。四国方面へお越しの際は、どうかお気軽にご連絡いただければと思います。では、ご活躍を祈っています。

宮本 英之介

漁港における衛生管理

昨日は、八幡浜市役所で行われた「衛生管理型魚市場」に関する講習会に参加してきました。今回は、2014年に完成予定の新しい八幡浜魚市場の建設に合わせての勉強会。近年の食の安全志向を背景に、全国的にも衛生管理型魚市場のニーズは高まっているようです。先進事例は多数あるものの、八幡浜ほど規模の大きい産地市場での取り組み事例は、まだまだ少ないとのことでした。

基本的には、「陸揚げ・荷捌き・販売(セリ)・積込み」という市場での一連の作業において、HACCPの考え方を導入して、衛生管理と鮮度保持を目指そうというものです。そのためには魚市場の屋根や壁面、トイレや出入口等の施設を考慮して設計することが必要なのですが、現状の作業工程を考えれば、設計だけでも“前途多難”という印象です。
比較的規模の小さな、魚種の限られた港であればある程度効率よい設計も可能なのでしょうが、八幡浜のように、大小・多種済々の漁船やトラックが入り乱れる市場(しかも荷受は3社!)では、統一ルールの下での施設設計は、現実問題として容易ではありません。
昨日の講習会の後には、魚市場の若手メンバー(ワーキンググループ)が会して、意見交換が行われましたが、現場レベルの要望もてんこもり・・、一定のどこかでは意見を集約して、最後は施設に合わせて作業をできるだけ効率よく変えていくより他ないのでは、と感じました。
水産庁では、現行の漁港漁場整備長期計画(2007~2011)において、高度に衛生管理された水産物の出荷割合を50%にまで高めたいとの意向があるようです。「清潔な魚市場」のためには、施設とルールはもちろんのこと、最終的にはその中で働く私たちの意識変革(自主衛生管理)が何よりも大切だと思います。全国へ向けた「魚のまち八幡浜」のブランドを高めるためにも、関係者が連携して、地道に取り組んでいきたいものです。
ついでに、昨日の会合では議論の範囲外、で今後も皆さまには“未知の世界”と思われるのが、実は漁港ならぬ「漁船における衛生管理」!!こちらも清潔な製品づくりを徹底したいと思います。

イカ釣り船団休漁へ!

今日は久しぶりに「八幡浜経済研究会」なる会合に出席、その後はショットバーで静かに美味しいお酒もいただきました。話題は変わって、テレビや新聞報道でご承知のとおり、6月18日から2日間、全国イカ釣り漁業協議会の呼びかけで、イカ釣り船団約900隻が一斉に休漁したとのこと・・。理由はもちろん燃料費の高騰で、今回の休漁行動で政府や水産関係者、また消費者へ窮状を訴えるという目論見もあるようです。

A重油の価格はわずか数年前の約2.5~3倍の水準に・・。6月16日付けの「みなと新聞」によれば、重油価格が今のまま推移すれば、全国の漁業経営体の約4割が廃業に追い込まれ、5万人から8万人が職を失う、との試算もあるようです。漁業者にとってみれば、本当に恐ろしい時代の到来です。
が、今回のイカ釣り船の休漁を見ながら思うのは、案外冷やかな水産関係者や消費者の反応です。実際、2日間程度イカ船団が休漁したところで、全国の需供バランスにはさほど影響がないようで、逆に輸入の冷凍商品の需要が増して、鮮魚の価値が下がるとの見方もあるようです。
原油高騰や供給量の減少で、末端の小売価格は上がったものの、その影響が最上流の漁業収入にはなかなか反映されないのが、漁業者にとっては悩ましいところです。やはり、何らかの形で自ら価格決定権を持てる漁業に転換できなければ、市場経済の中ではいつまでたっても苦しい立場が続くのに変わりはないのではないでしょうか。
何はともあれ、このままの仕組みでは、日本近海の刺身が食べられない時代すら到来しないとも限りません。今後の資源や価格の動向に注目するのは当然ですが、漁業や流通の仕組み改革のために関係者の知恵を集めて、漁業存続の道を探っていきたいところです。

市場の魅力!?

今朝は4:30入港でした。昨晩24:00をもって今漁期の本操業は終了、残すは5月15日までの高知沖試験操業のみとなりました。狙っていたアマギは結局150、その他は、コウイカや赤ムツ、ホウボウ、マトウダイといった豊後水道沖おなじみの魚種構成でした。今日で海幸丸は月末休み、明日の18:00に高知沖に向けて出漁の予定です。

昨日は市役所で開かれた「魚市場運営協議会」に、生産者代表として初めて出席(代理ですが・・)しました。会では、八幡浜市で進められている港湾振興ビジョン(計画)の進捗状況等について、意見交換も行われました。

が、みなとまち八幡浜は、古くから西日本有数の水揚げを誇る漁港だったせいか、最近の流通環境の変化に対する市場としての取り組みや機構改革、衛生面への対策等は、残念ながらかなり立ち遅れているのが現状です。その上、八幡浜魚市場は、規模や許認可、漁法の違う様々な生産者(漁業者)、組織の異なる荷受(現在は3社)、そしてこれまた商いの規模や形態もすべて違う仲卸業者(約120社)が、一つの施設内で共存している、という複雑な閉鎖社会・・!?新しい施設やルールを一つ作るにしても、単一組織のように、“思いを一つ”というようにはいかないのが現実のようです。市場開設者である市の担当課の皆さまは、いわば後ろ向きの調整業務にかなりのご苦労をされているはず・・、というのが会合の第一印象でした。
ただし、幼稚な正論を承知で言わせてもらいますと、市場の内情はどうあれ八幡浜魚市場にとっての顧客は、日々魚を消費していただく地元、そして全国消費地の皆さまで、その方々の視点からすれば「八幡浜の魚市場は一つ」!!なわけでして・・。いかに消費者にとって魅力ある市場にしていくかを、立場を超えて協議していく必要があります。私が思う「市場の魅力」とは、やはり「荷が集まってくる」というのが最低条件で、そのためには、減り続けている生産者、またはその荷の数量をどうやって維持していくか、という課題を最優先に考えるべきだと思っています。

漁師もいない、荷も入らない、つまり消費者へお届けする魚がなければ、当然、市場も不要!なのですから・・。

港湾ビジョンで検討項目となっている加工施設や冷蔵施設、衛生管理施設なども全て、荷の集まる市場にするための手段・方策で、施設建設そのものを目的と捉えてしまってはいけない、と感じた次第です。(もちろん私も含めてですが・・)
ちなみに、昨日発表となった「八幡浜水産物地方卸売市場・取扱状況報告書」(取りまとめ:八幡浜市水産港湾課)によれば、今年の市場全体の取扱量は昨年比約1割減の1万0589トン、金額も6%減の56億2198万円とのこと、ピーク時(昭和60年)147億円の3割少々・・の水準です。今から、量を急激に回復させることは無理でしょうが、せめてこの減少傾向を食い止めるためにも、立場や利害を超えた協議と対策が急務です。また市場改革については、「八幡浜」という古いブランド(=足かせ?)をとって、小さいながらもうまく取り組んできた産地の先進事例から、謙虚に学ぶという姿勢も大事なのではないか、と(個人的にですが)感じています。
昨日まとまったこちらの報告書、詳細はまた時間のある折にご紹介したいと思います。


原材料は国産回帰!?

高知沖から豊後水道へ漁場を変更して操業中の海幸丸、明日にはいったん入港の予定です。今日は火曜日の休市、例によってとても静かな港町、八幡浜です。昨日、今日と5月からの休漁期に向けて、プランや対策等々・・、毎年ですが、当社にとっては寒さの夏!?がやってまいります。もうすぐ5月、こちらは庭に咲いた花見月です。

今朝の日経新聞に、水産練り製品の原材料高騰の記事が載っていました。記事によれば、かまぼこや揚げ物の主原料、アメリカ産スケトウダラやタイ産イトヨリの価格高騰により、原材料の“国産回帰”を模索中とのこと。これまで練り製品原料の3割を占めてきたスケソウすり身は、欧米の需要増によって、この1年で価格は約5割上昇、同じくイトヨリも漁獲不振で2倍近くに高騰しているそうです。
練り製品メーカーの多くは、昨年から一斉に値上げに踏み切っているものの、過当競争もあって原料高騰分を吸収しきれないのが実情とのこと、そこで、食の安心・安全ニーズからも注目されているのが、国産原材料の活用!なのだそうです。大手メーカーと研究センターの共同研究では、安定的な供給量の点からサンマやカマスに着目しているものの、歩留まりや身質、色の違いから、今後の普及の見通しとしては、課題も多い様子です。

長年、原材料の捕獲をメインに行ってきたトロール漁業者の立場からすれば、

「遅い!!!!!」

と一蹴、いえ一言だけ申し上げたいところではありますが、そもそもスケソウすり身を主原料に使ってきた全国のメーカーにとっては、最近の原料高騰は深刻な問題のようです。しかし、大手水産5社の例を出すまでもなく、国内の大中型漁業が今のような状況となっては、もはや、国内に1千社ある練り製品メーカーの原材料を確保する供給力もないわけで・・。今後は製品個々の特徴に合わせて、輸入原料と国内モノを併用していくしか方法がないのではないのでしょうか。

ここでもやはり食糧需給の影響は大きく、今後の欧米や中国の需要動向を考えれば、練り製品の原材料確保においても、これまでにはなかった国際間、異業種間の買い付け競争は激しくなる一方です。もちろん国内漁業者や市場においては、漁撈技術を高めて、輸入原料に負けない高鮮度の供給システムを整えていく必要があります。私たちの沖合漁業でいえば、“供給量×品質+魚種”でトロールの特徴を打ち出して、他の地域に負けない競争力をつける、といったところでしょうか。

それにしても、練り製品の業界において、“大量生産と国内高級原料へのこだわり”は、やはり二律背反!なのでしょうか?全国ブランドでもある八幡浜、宇和島地域のメーカーの皆さまには、輸入のタラでもイトヨリでも、はたまたサンマ!?でもなく、従来通り、エソやハランボ、ヒメチにトラハゼ等々、宇和海の豊富な底魚を主原料に、これからも味とブランドを守り続けていただきたいものです。

以上、本日の日経記事の所感、合わせて漁業者からのお願い!?でした。

魚魚(とと)あわせ

今朝の荷揚げで3月操業も無事終了、海幸丸は明日まで月末休みに入ります。今回の操業は豊後水道南沖にて中2日、アマギは不漁で漁獲の中心はホウボウやコウイカ、エソなどなど、季節ものではヒラメやカナガシラも少々水揚げされていました。日曜ですが、八幡浜はあいにくの雨、夕方は私が東京でお世話になった恩師が来られ、食事をご一緒する予定です。

さて、一昨日初めて行った大阪の「海遊館」!かなりの大規模な施設を持つ水族館でした。残念ながら時間も限られていたために、ゆっくり見学することはできなかったのですが、見どころ満載の施設で、デートスポットにもなっている様子でした。
私は、そこで子供への土産も調達したのですが、開けてみてなかなか面白かったのがこちらの「魚魚(とと)あわせ」!

魚偏の漢字と色とりどりの千代紙の切り絵を使った絵合わせで、遊びながら魚について楽しく学べるカードです。写真のようにすべて右と左に分かれていて、漢字と魚の絵が組み合わせて遊ぶというゲームです。遊び方もカルタだけでなく、神経衰弱でも楽しめるという優れもの、さっそく昨晩も子供たちと3回ほど繰り返して遊んでしまいました。また絵柄もとても綺麗な上に、それぞれの魚についての特徴(魚魚ばなし)も書かれてあって、見るだけでも読むだけでも楽しいです。

例えば、

鰹(カツオ)・・・「タタキでおいしい初鰹」
鮟(アンコウ)・・・「海の底、頭の竿で魚釣り」
鯛(タイ)・・・「祝い事には欠かせない魚の王様桜鯛」

というように、自然に魚の食べ方や知識が身につくように工夫されています。まさに子供の遊びと魚食普及(我が家にとっては魚屋の後継ぎ教育も・・?)にもつながる、一石二鳥にも三鳥にもなるゲームです。こんな豊かな遊び、大事にしないといけないですね~。

このすばらしい「魚魚あわせ」の製作元は、京都の㈱環境総合テクノス「魚魚工房」だそうです。
ご興味おありの方、下記までお問い合わせをどうぞ!

株式会社 環境総合テクノス 内
魚魚(とと)工房
フリーダイヤル 0120-541-114
URL www.totokobo.com

冬の真鯛 VS 桜鯛

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3月操業も残すところ2航海、海幸丸はただいま宮崎沖の漁場にて操業中ですが、明日早朝にはいったん入港の予定です。時化も続いていますので相場に期待したいところですが・・。私は明日より業務その他で、大阪へ行ってきます。さて、今日は春にちなんで、おめでたい真鯛(マダイ)の話を少々。といいながら昨年も書いたような気が・・。

各地で一斉に桜の開花が宣言されるこの季節、春にふさわしい、めでたい魚といえば筆頭は何といっても鯛(タイ)ですよね。「人は武士、柱は檜、魚は鯛」とか「腐っても鯛」、「おめで鯛」などなど、古くから高級魚の代名詞としてあまりにも有名な魚です。特にこれからのお花見シーズンには、「桜鯛」といってマスコミにも取り上げられることも多く、一般には鯛の旬は春、と思われている方も多いようです。桜や花見、祝いといった季節感と、いろんなお祝いに欠かせない「おめで鯛」!のイメージが重なって、付けられたのがこの「桜鯛」という呼び名です。
でもこちら宇和海では、“味の旬”にも“漁獲の旬”にも当てはまらないのが、実はこの「桜鯛」です。味や脂の乗り具合、身の締まりともに、やはり冷え込みの厳しい年末・年始にかけて水揚げされる冬の鯛の美味しさには適わない、というのが漁師や産地市場での評価なのです。つまり「桜鯛」とは、量販店や消費地での宣伝・PR合戦が生んだ造語!?ともいえる面があるのではないでしょうか。鯛に限らず白身魚はやっぱり暖かい季節よりも冬が美味!必然的に、“漁獲の旬”も冬!となるわけです。
何はともあれ、私たち漁業者をはじめ産地の立場からすれば、冬、春の季節を問わず、魚が活発に消費されることは願ってもないこと、冬の真鯛と春の桜鯛!皆さんもぜひ一度、食べ比べてみてはいかがでしょうか。

原油111ドルに・・!?

久しぶりに中3日の鹿児島・宮崎沖操業、今朝は5:00の本船入港でした。マダイ120、カマス150、アマギ120を中心に総数は少し寂しく1100箱、豊富な魚種で仲卸業者さんたちには喜ばれましたが、私たちの操業効率の面からは今一つ・・いかんせん、四国と九州の最南端を行き来する“重油代”が恐ろしいほど高い・・のです!!

それにしても高騰し続ける原油価格、つい先日もニューヨーク商品取引所の先物相場が、1バレル111ドルに達してラッキースタート!ではなく最高値を更新!という記事を見たばかり・・。サブプライムによるドル売り・ドル安の影響もあるのでしょうが、その価格を元に数ヵ月後の我が国の重油価格だけでなく、その他あらゆる関連製品の大方の価格も決めてしまうだけに、もうそろそろご勘弁を・・!といいたいところです。
泣き言をいってもしょうがないわけですが、漁業会社の当社でいえば、ロープやワイヤーを中心とした単価の高い漁撈資材や、年間に山のように使う漁網、一操業あたり約1000ケースを利用する発泡スチロール(魚函)、全ての漁獲物にかぶせるナイロンパーチ・・石油製品を挙げればきりがありません。その上、1統2隻あたり月間平均160kℓ!という重油を焚いて四六時中、魚を追い求めて海の上を走り回るのですから、そのコストたるや・・??ちなみに第15・16海幸丸、第11・12、第21・22仁洋丸の使用するA重油単価は、つい数年前の2倍を優に越えてしまいました・・。
世界の富の集中を目論むような、ごくわずかな一部の投機屋の火遊びが発端!?といわれる世界的な原油価格の高騰、このとばっちりを世界の大多数を占めている中小零細企業、そしてそこで働く善良なる市民が蒙り続けている愚かな構図、本当にどうにかならないものでしょうか・・?

と、こんなグチをこぼしていたせいか、どうやらバチが当ったようです・・。

今朝出漁したばかりの海幸丸、ローラー部分の故障が発覚して操業不能に、との連絡が入りました・・!
やむを得ず、今夜半24:00にいったん入船、深夜の荷揚げ後、明日早朝まで修理に入る模様です。
トホホ・・です。

技術伝承は最重要課題!?

浜田漁労長のいない海幸丸ですが、トップ不在の穴を埋めるべく、目下、全乗組員が力を合わせて操業中です。現在のところアマギもまずまず豊漁のようで、明日早朝には予定通りいったん入港します。早いもので今日からもう3月、県内の高校では、今日が「卒業式」だったようですね。“めぐる~めぐる~よ時代はめぐる~、別れと出会いをくりかえ~~し・・”、月日が経つのは本当に早いものです。

ちょうど今読み進めている本に出ていたのですが、伊勢神宮では20年に一度、“遷宮”と称して、神社内の建物一式を新築して、神様を移動させるそうです。古い建物の耐用年数が来たわけではないのに、意図的に、定期的に新築を施すのだそうです。詳細を調べたわけではないのですが、この目的、意図することの一つに、「宮大工の技術の伝承」があるそうです。つまり、以前に建築経験のある古い宮大工が、若い大工に技術を教える場を提供するのだそうです。たしかに20年といえば、技術の伝承を続けていくにはちょうど良いタイミングともいえそうです。
宮大工という、高度な技の要求される伝統的な仕事だけに、その貴重な文化を継承していこうとする、神社関係者の知恵と工夫が垣間見える好事例ではないでしょうか。ひるがえって私たちの会社・・、こちらもトロール漁法という、ある意味非常に特殊かつ専門的な技術の要求される、伝統的な産業で、やはりこの「技術の維持伝承」という問題と「目先の営利追求」というのは、まったく別物として考えるべきことではないか・・と最近つくづく感じています。
網の縫い方から船の形状や造り方、漁具の調達や仕掛け、操業のデータからポイント選び、天気の予測や出荷のための商品作りに至るまで、地域にとっても会社にとっても、ある意味とても貴重な「見えざる資産」ともいえます。地域の技術を次世代に伝承するための仕組みづくり!!関係者一同、知恵を絞りたいものです・・。
「伊勢神宮」のように20年に一度、会社の財務内容に関わらず新しい船を建造すれば・・!?そんなことができれば良いのですが、現実はかなり難しい・・のです。ちなみに現在、弊社所有の第15・16海幸丸は今年で20年目、初の30年選手に向けて孤軍奮闘!?の予定です。

イカの呼び名は難しい

時化の中、高知沖にて操業中の海幸丸、水揚総数は700余りと少ない量でしたが、明日が休市の関係で今朝急きょ入港しました。主な魚種は、マダイ、チダイ、ハモ、レンコダイ、マトウダイ、ヤリイカ、イトヨリ、ホウボウといったところでした。さすがに連日の時化で入荷も少ないため、今日の相場は“まずまず”でした。1月操業も残すところ2航海です。午後からは、長年お取引をいただいている企業様も来社されました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

皆さまは何種類のイカをご存知でしょうか。実は一口にイカといっても種類は実に豊富、愛媛県内でもマツイカ、コウイカ、ヤリイカ、スルメイカ、アオリイカと、代表的なイカだけでも5種類あります。難しいのがこれらの呼び名です。八幡浜でいうマツイカは、全国的な呼び名はスルメイカ、このイカは日本海側での漁獲が圧倒的に有名です。海幸丸でも獲れるコウイカは中予地域では主に“モイカ”、アオリイカは“水イカ”、ヤリイカは“ケンサキ”と呼ばれます。また、八幡浜で“本スルメ”と呼んでいる身の厚いイカは、色や形はヤリイカに似ていますが実は別種の高級イカ、ちなみに関東ではこの2種類を総称して“ヤリイカ”と呼んでいます。
この他にも、九州や関西、東北地方でもそれぞれの呼び名があって、実に紛らわしいのがイカの名前なのです。この他にも全国には、別種でアカイカや尖頭イカ、ダルマ他、まだ数種類ありまして、地域によって呼び名も“交錯”しています。もちろん価格や味もそれぞれに違いがあって、一概にどのイカが美味しいかを判断するのもなかなか難しいのです。季節や食べ方、料理方法によって、向き不向きもありますので。まずは、イカの呼び名を覚えるためにもお近くの魚屋さんやデパートでいろんなイカを前に!少し立ち止まってご覧になってみてはイカがでしょうか!?名称と味の特徴は、一度このサイトでも整理してみたいと思います。

本日もヤリイカのみ・・

昨晩はJCの三役会に出席、私の力不足で計画の見込み違い等も少々・・。皆さまからの貴重なご意見、課題等もいただきましたので、一つずつ対策を練っていきたいと思っております。帰宅は22:00前だったのですが、ひょんなことから、ない頭が活動を始めてしまい寝つけず・・。結局そのまま海幸丸からの入港電話を受けてしまいました。普段はすぐに眠れる体質なのですが・・。こんなことなら、やっぱり“デビラガレイに熱燗”が良かったのかも・・。

さて今朝も時化の影響で、市場は海幸丸以外の水揚げはわずか・・。しかも今回の水揚げは8割以上がヤリイカ、ということで中央出荷向けの商材はヤリイカのみ、という状況でした。大手仲卸業者さんいわく、このように単一魚種の構成が続くと量販店の品揃えのニーズに対応できず、なかなか安定した継続取引に至らないそうです。特に今回のような時化の時は・・。それでも以前は、型は古いが時化には強い(どこかで聞いたような・・!)トロール船が5統、6統と操業していましたので、八幡浜の豊富な魚種という強みも生きて、それがそのまま中央市場に対する八幡浜の“信頼性”となっていたわけです。が、今やトロール船も一統のみ、残念ながら八幡浜の産地市場の魅力はかなり低下してしまったわけです。かといって、当社としても豊富な魚種を確保するために、操業効率を犠牲にしてまで漁をするわけにもいかず、このあたりが生産現場に近い産地市場の難しい側面です。

すみません。この手の話題は長くなってしまいますのでまた後日。
今日のヤリイカ漁のオマケを掲載して本日の日記とします。
今日はこれより(社)八幡浜青年会議所の総会です。

「リュウグウのツカイ」もどきですが、正式名称は定かではありません。
ちなみに体長2m30cmでした。予想通り買い手もつかず、廃棄処分に・・。お疲れさまでした。
ちなみに顔はこんな感じです。愛らしくもなかなかグロテスク?です。
ご興味おありの方はクリックどうぞ!

追記:上記の「リュウグウノツカイもどき」の正式名称が判明しましたので、掲載します。

アカマンボウ上目アカマンボウ目フリソデウオ科「サケガシラ」

だそうです。

次回は「一日一魚」コーナーで取り上げますのでお楽しみに!

ダシ曳きとは・・?

3日ほど前の雨の中のジョギングがいけなかったのか、昨日までは少々微熱があったのですが、今日にはほぼ全快!でした。今日も、朝から入港やら年末・年明けにかけての準備等でバタバタとしておりました。今朝の水揚げ状況ですが、高知沖操業の魚もあったため、魚種はまずまず豊富でした。荷揚げ後は、本年の実質・最終航海へと向かいました。「実質」といいますのも、例年28日に一度入港した後、“ダシ曳き”に出ていまして、今年はまだそれが未定だからです。“ダシ曳き”の意味が分からない!?当然ですよね。この狭い八幡浜の、これまた狭い漁師の世界でしか通用しない、何せ死語に近い用語ですから・・。

「ダシ曳き」とは、漁師さんたちが自分たちで食べるお正月用の鮮魚(ダシ)を狙って、年末に漁場に出ることをいいます。通常一晩で戻ってくる短い操業で、29日の朝には帰港します。トロール船が栄えていた時代の風習のようで、この年末の“ダシ曳き”の一晩だけは、漁業の採算は二の次で、自分たちがお正月に食べたいマダイや車エビ、ウチワエビを獲るために網を入れる!わけです。もちろん近年は厳しいご時世、また高い燃料費や操業経費等の兼ね合いもありまして、会社(経営)的には採算を度外視!というわけには行かず、ある程度操業の効率を考えた漁にはなってしまっていますが・・。
それでもお正月用の鮮魚、特に全国的に近海天然魚が消えてしまう年末に、このトロール船の“ダシ曳き”で水揚げされる魚は、八幡浜市場にとっても貴重なのです。ただしこの時ばかりは、皆の欲しがる品の良い極上鮮魚は、概ね乗組員が船内で自分たち用に確保してしまって、市場に出されるのはその残りの鮮魚!ということになっています。もちろんこんなことがまかり通るのも“ダシ曳き”一航海に限ってのことです。言ってみれば、古い漁師町に残っている一つの“風習”のようなものでしょうか。
今年は、さて出るか出ないか・・!?どうしましょうか・・?もちろん私の立場からすれば、あくまで採算に見合う“ダシ曳き”を!願いたいところなのですが、最終的には天候や漁模様等、沖の判断で決めることになるかと思います。お正月のダシがご入用の方!どうぞお早めにご連絡くださいませ!

中国における水産物流通

昨晩は青年会議所の本年最後の理事会&忘年会でした。“万年寝不足”!?の私はまたも3次会を前にギブアップ!でした。皆さま、1年間本当にお世話になりました。明けて今日は、“対中国水産物輸出セミナー”のため朝から宇和島へ。中小企業基盤整備機構の経営アドバイザーと大手商社の進出先(現地法人)役員のセミナーを拝聴して、現在の中国における水産物流通の現状や課題、展望等を勉強してきました。

早速今日の復習もかねてメモをしておきます。

まず前半では、中国についての私たちの見方、認識という点での“勘違い”について。

誤解その1 中国の労働力は豊富である

一般的に13億の人口を有する中国の労働力は豊富!と思われがちですが、実はそうでもないようです。総人口のうち、働くことのできるいわゆる「就業人口」は7.4億人で、そのうち農村に居住する人口が5.4億人、また沿岸部に居住する3億のうち、個人事業を営む1億を差し引けば、労働力として賃金労働に従事できる人口はわずか2億人たらず。私たちが想像するよりはるかに少ない労働力しかないというお話でした。

誤解その2 中国はコネの国である

中国ビジネスのイメージに付きまとってしまう“コネ”ですが、やはりビジネス、つまり競争力の基本は当該商品・サービスの持つ価値や価格の優位性であって、人脈やコネよりもやはり商売での“実利”が優先されるとのことでした。取引やパートナーの選定にあたっては、特に中国では(日本もですが!)経営トップの人格と人間性が入念に観察されるそうです。

誤解その3 「中国人は働かない」は本当か?

これについては私も経験側から感じていたのですが、中国人は概して“怠け者”の国民性であるというイメージ。たしかにそういう面はあるものの、これまで中国の労働者は怠けてしまうシステム(環境=統制経済)下に置かれていただけで、例えば出来高制や能力給、給与保証などのシステムを上手く取り入れれば、かなり意欲的に働く“合理性”をもった国民であるとのお話でした。

誤解その4 「中国進出企業は失敗だらけ」か?

一般的にそのように見られていますが、国内企業と進出企業の売上高経常利益率の対比(統計)を見れば、進出企業が勝っているようです。進出企業にはそれだけ成長志向の高い企業が多いとも考えられますが、進出した中小企業は概して苦労している、という見方はマスコミの一義的な視点のようです。

以上の誤解を踏まえて、中国進出の際の基本戦略や事業における商談、代金回収等の留意点等についても講演者の豊富なご経験から具体的なアドバイスもいただきました。

後半では、経済成長を続ける中国での水産市場の現状について。こちらはやはりニーズの中心は鮮魚の丸魚、しかもやはり淡水魚!なのだそうですが、最近は遠洋漁業の発達から海水魚もかなり需要が伸びてきているようです。進出企業にとってのネックは、第一に国内における低温物流のインフラの未整備。国土の広い中国では、物流に要する時間が莫大な上に、従来の商慣行としてメーカー物流が基本であったため、日本における物流業や倉庫業のようなサービスの認知がまだ進んでいないようです。この物流インフラが徐々に整備されれば、海外からの鮮魚の冷凍製品等の流通も一気に拡大する可能性があるのでは、とのお話でした。
次に国内ターゲットですが、キーとなるのはやはり“中産階級”から“富裕層”だそうで、このクラスには日本以上に“安心・安全・健康”志向も強いようです。特に富裕層の利用する海鮮レストランでは、ビジネスでの接待というニーズも強いため、“高ければ高いほど・・”といったような一時期の日本のような風潮も顕著なようです。
目下、輸入魚は急速に市場浸透中だそうで、エクアドルのロブスター、ノルウェーのサーモンを筆頭に日本(長崎)からのサバもかなりのスピードで認知されつつあるようです。もちろん国内での遠洋漁業と合わせて養殖業も盛んに行われていて、レストラン向けにメバルやハタ、マナガツオといった高級丸魚の養殖もかなり進んでいるとのお話でした。

この他にも、関税や衛生基準、食文化等々、話題は多岐にわたりましたが、一度にはご紹介できませんので、また次の機会で・・。午後からは、講師との30分の個別面接の機会もいただいたのですが、自分にとっては、中国の水産流通の動向について、“かゆいところに手が届く”というような感じでとても有意義な勉強をさせていただきました。
以上、いつもの乱文・雑文ですが、今日の講演内容をメモしてセミナー報告といたします。

大分沿岸漁業者との協議会

昨日は10:15のフェリーにて別府を経由して大分へ。「大分県沿岸漁業者及び沖合底曳網漁業者間の操業に関する協議会」に出席してきました。昨日は大分泊で、今日は午後過ぎに八幡浜へ戻ってきました。八幡浜??別府間フェリーの往復は約5時間、おかげで読みかけの図書も、少しですが消化できました。同行いただきました八幡浜漁協の皆さま、昨日、今日とお世話になりました。

今回の協議会ですが、今年で17回目を数える恒例の集まりなのですが、簡単にいえば、お互い法令を遵守して安全操業に努めましょう!というものです。会合ではお互いに意見や要望事項等も特になく、話し合いのテーマは、高止まりしてしまった燃料費や宇和海の資源状況、鮮魚の付加価値販売等への取り組み等が中心でした。

協議会終了後は、場所を変えてこちらも恒例の懇親会、ここでも国、県の行政の方も交えて、水産に関する施策や鮮魚の流通の話題等について、いろいろと意見交換をさせていただきました。それにしてもこうした会合に出てつくづく感じるのが、業界の問題や低迷の原因を“政治”に求めてしまう「農林水産業」という業界の体質です。衰退産業(弱者)の救済のための一律保護という時代はとっくの昔に終わっていると思うのですが・・。やはりこれは昔から保護行政という色彩の濃い農業の影響もあるのでしょうか?
幸か不幸か、水産業や漁業、特に私たちの沖合漁業という産業には、国からの補助金なるものは皆無で、せいぜい業界団体からの技術情報の提供や、組合や公的金融機関を通しての低利融資というようなものがあるくらいです。市場経済から切り離されて、保護されてきた産業で国際競争力をつけた例は今も昔も皆無!とはよくいわれることですが、やはり「民間企業」であるからには、どこまでも自助努力を基本に、知恵を絞って経営革新にあたるべきだと思っています。農業や漁業は国の根幹に関わる、なくしてはならない基本産業、というのは百も承知ですが、だからといってその産業に携わる経営者までもが、お上の手助けを求めて仕事をしている気分になってしまう体質?というのは、少々寂しい気がします。支援が必要なメニューは行政が決めることで、それは行政の専門家に任せておけばいいのではないでしょうか。
こんなことをいっている自分は、闇の世界の怖さを知らない、ゆえに政治の恩恵にもありつけない世間知らずのお子ちゃま!?のかもしれませんが・・。自分のできることやれることを工夫しながら精一杯、それ以上でも以下でもない、ただそれだけのような気がいたします。

魚の数え方

今日は月に一度の“火曜休市”の日でした。狭い港町の八幡浜では、魚市場が休みの日は独特の静けさがあります。私のほうは、午前中は船員給与の計算、午後からは水産研究所の研究者が来社されまして、高知沖漁場の漁獲情報や資源状況等について、いろいろと情報交換をさせていただきました。11月も残り2航海となった海幸丸ですが、漁場の関係で本夜半23:00に入港、明日は4:00から荷揚げの予定です。

今日は“魚の数え方”についての話題です。実は、とある公的中小企業支援機関の発行するメールマガジンの“お魚コラム”を私が担当しておりまして、今月はこんな内容を文章にしてみました。以前もこのサイトでご紹介した内容を補足・修正?したものですが、はたして興味を持って読んでいただいているのかどうか・・?少々不安・・です。

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<魚の数え方>

「どうして魚は1匹、2匹と数えるのにイカは1杯、2杯と数えるのか!?」

皆さん、どうしてかご存知ですか?実はこの数え方は魚体の形と関係があるのです。イカの胴体は逆さまにすると水を入れる器、お椀のような形をしているため、1杯と呼ぶようになったらしいのです。同じようにタコやカニも何となく器っぽい!というわけでやはり1杯、2杯と数えます。しかし同じ甲殻類でも水がたまりそうにない車エビなどは1杯、2杯とは数えません。不思議ですね。

しかも興味深いことに、死んだイカやカニしか1杯、2杯とは数えないのです。泳いでいるイカは1匹、2匹!なのです。たしかに水族館で眺めるイカは1杯、2杯とは数えないですよね。それと同じく、魚でも店頭に並んだ丸魚は1尾、2尾と数えますが、海や生けすで泳いでいる魚は、やはり1尾、2尾とは数えません。「1尾」と聞けば、感覚的に店頭に尾を揃えて並んでいる丸魚をイメージするのが普通です。日本語は本当に面白いものですね。

明日は勤労感謝の日!

今日もかなり寒い一日、時化の影響で八幡浜魚市場もかなり入荷量は少ない様子でした。今日も午前中は事務所に、午後からはとある件の代理出席で外出しておりました。中2日で操業中の海幸丸は今夜半23:00入港、荷揚げは明日4:00から行う予定です。明日は「勤労感謝の日」!また祝日です。祝日というのは増えることはあっても減ることがない・・。特に世間の休日に合わせて中央市場の休みが増えるのは、フルタイムで稼動する私たち産地の漁業者には実は“悩みの種”なのです。

産地市場での一次産品の価格は、皆さまご存知の通り入札による“競り(セリ)”で決められます。一概にセリといっても、オークション形式の“セリ上がり方式”や一度に価格が決められる“一発入札方式”など様々です。何れにしても価格の決まる(相場)大きな要因は、その日の需要と供給のバランスです。つまり生産者の立場からすれば、できれば需要の見込める、相場の良いときに水揚げを行いたいわけです。でも、今回のように祝日で中央市場が休みとなれば、鮮魚の流通が止まってしまうため、荷揚げは休市の前後(休み前と休み後)に集中してしまい、結果入荷量が多すぎて値崩れを起こしてしまうのです。
むろん、これは生産者サイドからの言い分で、産地の荷受けには荷受けの、中央には中央の言い分があろうかと思います・・。ただ、中型トロール船のように、1日操業ではなく、2日から3日にかけて操業する漁船を切り盛りする漁労長にとっては、休市日と入荷量、相場等を見定めて漁をして、入港日を決めていくというのは一苦労のようです。やはり日々の「安定供給」は市場の使命であって、消費者の皆さま方に毎日新鮮な魚をお届けする手段です。せめて休日をわずかでも減らして、産地市場からの荷を受け入れる体制を強化していただきたいものです。このあたりは、もっと中央と産地、生産者と卸・小売業者が活発に情報交換、意見交換してもいい分野かなぁと、常々思っております。全国の水産業者・流通業者の皆さま、いかがでしょうか?ぜひ有意義な情報交換を、よろしくお願いいたします!

日本人の主食は・・?

今朝は5:00より魚市場で荷揚げ、お取引先の社長さまと某テレビ局の取材班も来社されました。主に既存の市場流通に乗らない、希少性の高い規格外鮮魚の流通を事業コンセプトとされている取引先で、今回の取材テーマもその関連でしたが、今朝の水揚げ魚種は実に95%がイカ。あとは15箱程度の“水ブク”くらいで番組になるかどうか、少々心配です。何はともあれ、朝早くからお越しいただき、貴重なお話等々もありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

昨晩のNHKでしたか、日本の主食“米(コメ)”の輸入自由化をテーマにしたディスカッション番組がありまして、少しだけ見ていました。大きな議論の焦点は、「米の輸入自由化に賛成か反対か」なのですが、そこには他の農産物にはない“主食”としての事情や、低い生産者所得や閉鎖的な流通システム、農村の環境保全や食料自給率等の問題も絡み合って非常に複雑のようです。
賛成派は、いわゆるFTA(自由貿易協定)に基づくグローバルな市場システムの中で、農業、中でもコメだけを例外に扱うのは日本の国際関係からも望ましくない上に、国内の消費者利益にも反する、との主張です。一方反対派は、コメは日本の食文化、そして安心・安全かつ健康な食生活の源である上、米だけは国民の生命に直接関係する主食だけに他の産業とは異なる、そのため農業を保全して美しい日本の国土を守るべき、大筋ではそういう内容だったと思います。
一昔前なら、輸入物の米は劣悪品で美味しくない、という評価が一般的でしたが、番組によれば最近は“コシヒカリ”さえも輸入される時代だそうで、味の違いは以前ほどにはないといいますから、問題はさらに複雑です。特に日本は国土が狭いために、農業経営を事業(企業のビジネス)としてみた場合、世界的な競争環境では、規模的になかなか太刀打ちできない状況にもあるようです。だからといって、これまでのような、組合組織を中心とした保護主義に走ればかえって産業の競争力低下を招いて、結果的に自給率はさらに低下してしまう・・。非常に深刻かつ複雑な問題といえます。
当然私の場合などは水産物と比較しながら見ていたわけですが、問題はただ一点、「貿易による相互依存関係を強めつつ、米生産農家の競争力を高めることは出来るのか?」ということのようでした。しかしながら、“自由化”(市場経済化)の波は程度の差こそあれ、遅かれ早かれ避けて通れない道であることは明らかで、いかに国内生産者の競争力を弱めないで、もしくは高めつつ自由化できるのか、その方法として何があるのか、を話し合うのが前向きな議論といえると思います。
個人的には、「米だけせっせと作って生産力を高めたところで、エネルギー備蓄のない日本では仮に戦争になっても米も炊けん!」といったような地球市民的な意見は、自国の農業(ついでに漁業も!)の歴史や文化、産業の持つ様々な多面的価値を軽視した幼稚な発想と思えてなりません。いかに世界のボーダレス化が進み、日本人のライフスタイルが多様化したといっても、主食はやはり米であって、パスタやピザ、ましてハンバーガーなどではありえません。日本人の大切な米文化、私たち一人ひとりが考えたいものです。(ついでに魚食文化もご一緒に・・!)かといって、私など具体的な考えや意見を持ち合わせているわけではないので、偉そうなことを言える立場でもないわけですが・・。
そろそろ今日も晩ごはんの時間です。せめて今日はビールを少なめにして米で造ったお酒を少々・・ではなくて、ご飯を一膳多めにいただくとします!自分にできることといえばこんなことくらいでしょうか?ちなみにご飯のおかず、動物性タンパク質供給源はこれまでどおり“魚”!でよろしくお願いいたします!!

「鯛めし」いろいろ

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早朝4時よりヤリイカの荷揚げ、7時過ぎから件のラジオ番組!に電話出演、無事に終わってホッとしています。皆さま、お聴きいただきありがとうございました。(誰も聴いていない・・!?)昼はいろんな手続き関連の業務等々・・でした。海幸丸は10:00に出航、今回は“中2日”の操業を予定しております。ところで今日は“鯛めし”(たいめし)の話題を少々!「鯛めし」といえば、言わずと知れた愛媛の郷土料理。皆さまはどんな鯛めしを想像されますか?

実はこの鯛めし、同じ愛媛県でも東と西では若干、趣が異なります。瀬戸内、つまり今治方面では、鯛めしといえば、昆布を敷いてご飯を炊いて、その中に下調理をした鯛を丸ごと入れて醤油味で炊き上げる、炊き込み風の料理を指します。一方、宇和海側、八幡浜・宇和島方面では、鯛の刺身を薄く切って、白ゴマやみりん、醤油のたれに浸して、生卵を割って一緒にお椀に盛り付ける、卵かけご飯風の?料理を鯛めしといいます。
同じ愛媛県、しかも同じ真鯛を使った料理でも、東と西では食文化に違いが見られるのは面白いものです。この他全国に目を転じますと、鯛を使った郷土料理としては、宮城の“鯛味噌”、加賀名物“鯛の唐蒸し”、広島の“鯛麺(たいめん)”、萩名物の“鯛茶漬け”(鯛茶)などが有名です。できれば、真鯛のサイズや鮮度、季節に応じて、いろんな料理で味わいたいものです。時には全国の郷土料理を参考に、一風変わった“鯛料理”を試されてみてはいかがでしょうか。

料理・・?私ですか?“魚さばき”専門で、後は“丸投げ”!食べるのと飲むのは得意です。

ロックバンド「漁港」!?

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海幸丸ですが、相変わらず深夜の入港が続いております。そのため最近は、日課となっていた夕方のジョギングも一時休止しております。ただいま、その代わりに!?深夜の“ヤリイカリレー”で、脂肪燃焼中です。が、結局終わればビールを飲みますので、何れにしても体脂肪率に大差はなさそうです。
やっぱり時代はビリー!?でしょうか。

ところで、皆さまは「漁港」というロックバンドをご存知ですか?

www.gyoko.com 
http://ameblo.jp/tsurizaomorita/

私は、先日の産経新聞紙「魚への思い音楽で」という記事で初めて知りました。
若年層を対象に、魚の魅力や水産資源の問題を訴えるバンド!だそうで、リーダーはマグロ専門店の三代目でもある、
自称!?フィッシュロックシンガーの森田釣竿(つりざお)さん(33)です。
舞台パフォーマンスでは、マグロを解体しながら、魚が海から食卓に上るまでのストーリーや美味しい食べ方を連呼する!?のだそうです。
一度観てみたいものです。
レコード会社からは、魚以外の曲も演奏するよう求められたものの、
「CDを売るのが目的じゃない。音楽は魚を知ってもらうための手段。そこは妥協できなかった」と断ったとのこと。
なかなか面白そうなバンドで、私ども「一魚一会」も是非お友達になりたいなぁと思っています。
来漁期解禁の出漁時には、海幸丸の船上から一曲歌ってもらっても良いかもしれません・・。
このグループについて、情報をお持ちの方、どうか当方までお教えくださいませ!

東アジア食品市場セミナー

午前中、松山の「アイテム愛媛」にて、愛媛県とジェトロ主催の「東アジア食品市場攻略セミナー」に参加してきました。セミナー後は商社との個別相談会もありましたが、今回はセミナーのみ、終了後は八幡浜へとんぼ返りでした。近年、急速に伸びているアジア向けの農林水産物輸出額。現在(平成18年)は3,700億円ですが、平成21年には6,000億円、25年には1兆円規模にしようというのが政府の目論見です。

アジアの中でも輸出額の伸びが顕著なのが、台湾やタイ、シンガポールといった国です。特に現在好況に沸くシンガポールは、所得水準が高い上に商流の障壁も少なく、最も注目される市場だそうです。アジア諸国で販売される日本産品の価格比較によれば、USAやオーストラリア産の現地普及品に比べ、軒並み高価で販売されていて、シンガポールのメロンにいたっては、10倍以上の価格差があります。
ただしこれは農産品の話で、水産物、特に鮮魚ともなると鮮度保持と物流コストの関係から、農産品ほどの価格差はないようです。今は現地百貨店でも、日本と同様、“寿司ブーム”だそうで、価格は日本の百貨店とさほど大差はない、とのお話でした。
所得水準の伸びからして、今後も注目したいアジアの需要動向ですが、一攫千金の雲をつかむような話はないわけで、ニーズの把握、ターゲットの明確化、継続的なパートナー、付加価値創造、ブランディング・・等々は、どこでビジネスをするにしても共通の原理、まずは足元の基礎固めが大切!ということでしょうか。

水産物輸出促進セミナー

JETRO(日本貿易振興機構)が主催する「水産物輸出促進セミナー」に参加してきました。前半は、中国への水産物輸出の現状、後半は長崎県松浦から“小型サバ”の輸出に取り組む宮本啓史氏の事例発表を拝聴しました。宇和島市で行われましたが、八幡浜からの参加者も数名いらっしゃいました。
海幸丸が登場する“ハイビジョンふるさと発”!今日が初回の放送でしたが、私は夏祭りの企画委員会で、残念ながら見逃してしまいました。全国からのたくさんのご感想メール!?ありがとうございました。どうやら新たなスター!も誕生した模様です。ちなみに今後の放送予定は下記の通りです。

NHK番組:「ハイビジョンふるさと発」

?? 7月21日(土)6:00??6:49(NHK BS??hi)
?? 7月24日(火)10:00??10:49(NHK BS??hi)
?? 8月4日(土)10:05??10:57(NHK総合テレビ/一部地域を除く)

未曾有の経済成長で、急速に増加し続ける中国の富裕層!水産業界でも、中国向けの輸出需要がかなり拡大傾向にあるようです。今回の事例は、長崎県のまき網船で水揚げされる“小型サバ”の輸出でした。何でも西日本のまき網船が捕獲するサバの70%は300g以下の、いわゆる小型サバだそうで、この小さなサバは国内市場では格安の相場で叩かれる、という現状があったそうです。そこで中国への小型サバの輸出に目をつけた宮本さんは、行政や市場、仲買組合等を巻き込んで“輸出入促進協議会”を組織して輸出ビジネスの研究を進めました。当初は、輸送コストや通関手続き、衛星証明書等の課題が障壁となったようですが、今ではそれらの課題もクリアされ、軌道に乗っているとのことです。
この取り組みで産地市場における“小型サバ”のk単価も、1992年の20円から2006年には40円に回復、漁業の町の再生に一役買っているとのお話でした。宮本さんは、今では年間に15回ほど中国を往復して、中国ビジネスに大切な人間関係を築くとともに、食文化を通じて日中の交流を深めています。水産物の輸出ビジネスというと、つい大手商社に丸投げ!という印象がありますが、伝統漁業の活性化を目的に、地元を巻き込んで取り組んだところが注目される要因ではないでしょうか。
水産資源では負けるはずのない愛媛県!また、今後20年で約3割の人口減少が確実視される水産国日本!国内小型サバを輸出しながら、一方でノルウェーの大型サバを大量に輸入する我が国の消費と流通の怠慢?は大きな問題です。今後、国内での一定の食料自給率確保に取り組むのはもちろんですが、水産国として、新たな需要創出(確保?)のためには海外、特に中国に目を向けることも大切かと・・感じたセミナーでした。

活魚は美味しいか?

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台風明けのせいか、この時期にしては涼しくて過ごしやすい1日となりました。昨日の“雷と夕立”とはうって変わって、ジョギング日和の天候のはずでしたが、所用で結局サボってしまいました。明日からはまた夜の予定が詰まっているのに・・残念でした。夜は、先日書店のレジ前にて衝動買い!?してしまったバルタザール・グラシアンの「賢人の知恵」を読んでおりました。内容は、予想に反して!?かなり深く、ためになる本!という印象です。まだ途中ですので、書籍につきましては後日ご紹介するとしまして、今日は一転!“活魚の味”の話題です。

先日購入した「現代おさかな事典」にも紹介されていたのですが、“活魚は本当に美味しいのか?”という興味深いテーマです。
最近では、活魚技術も進化していて、酸素入りの水槽で魚を活かしながら販売している料理店や鮮魚店を多く見かけます。もちろんこれらの活魚は、お客の前で〆たり、料理されて、その提供方法(演出?)がお互いにとっての付加価値を生んでいます。
もちろんこの前提には「活魚=新鮮=美味しい!」という共通認識?があるわけですが、魚の場合、実はそうとも限りません。例えばお刺身!一般的には、新鮮な刺身は身が硬くて美味しいと思われがちですが、実は硬いお刺身には魚本来の旨みがない場合が多いのです。「現代おさかな事典」によれば、魚の旨みは「イノシン酸」という成分によるそうで、その旨み成分は魚が死後硬直に入った直後から増加し始めるのだそうです。しかもその蓄積が最大になるのは、硬直が軟化し始める直前!なのだそうです。そのため、魚を食べて美味しい期間というのは、「死後硬直」が始まって「軟化」し始める間、しかも後のほうが旨み成分が回って美味しい、ということになるわけです。
ただし、難しいのはその「軟化」を始める期間が、魚の種類によって全く異なるという点です。そのためにプロの目利きが要るわけですが・・。一般的には、タイやヒラメといった白身魚は「軟化」までの期間が長い、つまり旨みを持続する時間が長いといわれます。そのため白身魚を美味しく食べるためには、上手に〆て(即死させて)、旨み成分がたくさん蓄積される頃合いを見計らって食べるのが一番!ということになるわけです。けっして活魚をさばいてそのまま食べる!のが、一番美味しい食べ方ではないことがお分かりいただけたと思います。
ちなみに活魚のほうが美味しい魚もあります。それは、魚そのものに旨み成分を含んでいるもので、代表的魚種としてアジやサバなどの青物が挙げられます。またサザエ、アワビなどの貝類、エビやイカなどの無脊椎動物もこの部類に入ります。こうしてみてくると、料理店で生簀から注文する場合などは、まずは青物か貝類にするのが“通のいただき方”といえるのではないでしょうか。

極論で言いますと、マグロでも牛肉でも鶏肉でも捕獲して捌いた後、一定期間寝かせて、美味しくなるのを待つのと同じ原理です。それと一緒で、白身の魚も軟化する直前(漁師風に言えば腐る寸前!)が一番美味しいということなのです。そんなの信じられない!!というあなた、是非ご自宅で2匹のタイを食べ比べてみてはいかがでしょうか。
魚だけでは物足りない!!というあなた!牛や馬を一頭絞めて、そのまま召し上がってみられては・・・冗談です!
またまた5000タッチを超えてはいけませんのでこの辺で!

マダイ5,000円の価値形成?

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10日近く続いた快晴も今日まで、昼前からは湿っぽい雨模様の天気となりました。午前中はいつものサザエ買い付けに半島部を往復、午後からは事務所にいました。当サイト(uwakai.com)では繰り返しご紹介済みですが、鮮魚の流通ルートはとても複雑です。(上図参照)!先日購入した「現代おさかな事典」に、面白い図が載っていましたのでご紹介してみます。とある百貨店の鮮魚売り場で購入した1尾5,000円の天然マダイ(もちろん産地は八幡浜!)、その価格の内訳はこんな感じです。

この図によれば漁業者(我らが海幸丸)の手取り金額は2,055円です。つまりこれが純粋なマダイ1尾の漁撈代金にあたります。その後、漁業者から販売を委託された卸売業者B(八幡浜漁協)は、水揚げされたタイを市場に並べます。そしてIセリ人を通じて、仲卸業者Cにマダイが競り落とされました。この時点で産地卸売業者(八幡浜漁協)の手数料が190円、この内訳は“荷扱い賃”と“販売手数料”が主なコストです。
ピチピチの天然マダイをやっとの思いで競り落とした仲卸業者C(どーや水産)、早速、出荷準備に取りかかります。今回の出荷先は花の都、東京は築地市場です。昼に八幡浜を出るトラック便にマダイを積み込んで出荷準備完了です。この段階での“どーや水産”の取り分は640円、出荷に要するコストがその主な内訳です。
ちなみに八幡浜を出荷する前時点でのマダイの価格は2,885円です。八幡浜を出発したマダイは中央市場の競りを目指して一路東京へ!中央市場でマダイを受けたのは築地大手の“○○魚類”、こちらの会社は消費地市場の荷受(仲卸業者D)です。ここでも同じように競り(または相対販売)を通じて、仲卸業者Eにマダイは取引されました。“○○魚類”の手数料は産地と同じく190円です。次にマダイを落とした築地の場内仲卸業者Eは、大切な取引先である大手小売チェーンで百貨店に複数のテナントを持つ“魚丸”に販売しました。仲卸Eの出荷手数料は360円、小売業者の手に渡る前時点で、マダイの価格は3,435円です。
ようやく大消費地東京のデパートまでやってきた海幸丸の天然マダイ、ここで初めて消費者にお披露目です。見栄えの良い大きなトレーに飾り付けて、値決めをして目につきやすいコーナーに陳列しました。流通チェーン大手の“魚丸”の全店舗では、商品の目標値入率を売価基準で30%と決めています。今日のマダイはサイズもモノも良いし、ぴったり5,000円で決定!となりました。海幸丸のマダイはめでたくその日のうちに定価で販売されました。マダイを5000円で購入したお客様の家では、お刺身、兜煮、お吸い物、鯛めしと心ゆくまで宇和海のマダイ料理を堪能されました。

以上はあくまで仮のストーリーでして、最も一般的な流通ルートのお話です。(ちなみに会社名等は実在せずすべてフィクションです。)現実には、産地で消費される場合もありますし、仲卸業者から直接消費者に販売されることもあります。逆に小売店から料理店へわたる場合もあります。また、魚の種類によっては、消費地まで運ばれるまでに2日から3日を要するものもあって、消費者の手に渡るまでにはもっと日数がかかる場合もあるようです。
上は、「魚の価値形成」の図です。消費者が負担する最終的な魚の価格には、漁撈代(41.1%)よりも流通経費(58.9%)が大きなウェイトを占めることが分かります。しかしながら前述の通り、魚が消費地まで運ばれて、食卓に上るまでには長い時間がかかります。その間、魚の鮮度は落ちているわけで、商品そのものの価値は低下しているのは当然です。M・ポーター教授のいう“価値連鎖”のような概念は生鮮品である魚の場合、そのまま適用される製品でもないわけです。商品価値が落ちているにも関わらず、消費地では高価格での消費・購入を余儀なくされる、それが鮮魚流通の世界です。
だからどうだというつもりもありませんし、市場流通の役割を否定するものでは全くありません。ただ、消費地の皆様が日ごろ魚を購入される場合に、こうした魚特有の流通の知識をもたれていたほうが何かと基準になるかと思いまして、ご紹介をさせていただきました。

また「現代おさかな事典」で面白いテーマを見つけましたら、ご紹介させていただきます。
それでは、5,000タッチを超えては労組に叱られますので!今日はこの辺で失礼いたします。

八幡浜魚市場取扱状況報告書

今日は一件配達と私用で松山往復、夜は今週日曜日にせまったJCの青少年育成事業(いろは塾)に向けての準備委員会でした。皆様、遅くまでお疲れ様でした。
高知沖で今季最後の航海中の海幸丸、今回は実質2日の操業のため漁獲量はあまり期待できない様子ですが、予定通り16日早朝の入船となる見込みです。さて、今日は魚市場全体の話題を一つ。八幡浜市水産港湾課では、毎年「八幡浜水産物地方卸売市場・取扱状況報告書」を取りまとめています。先日、平成18年度の報告書がまとまりまして、それによれば昨年の八幡浜魚市場の取扱量は・・

平成18年度の取扱量は11,000トンで、前年に比べてわずかに増えた様子です。
ちなみに取扱量のピークは昭和55年の48,000トン!実に現在の4倍を優に超える漁獲量です。
次に取扱金額では、昨年が58億円で前年より2億円のアップでした。こちらのピークは昭和60年で147億円とのことです。
さびしい限りですが、金額は全盛期のほぼ3分の1の規模です。
それもこれも、これまで主力といわれてきた“沖合トロール”の激減が一番の原因なのですが・・

同報告書の魚種別水揚高(ベスト10!)はこんな感じです。

第1位 タチウオ
第2位 アジ類
第3位 イカ類
第4位 エソ類
第5位 タイ類
第6位 ニベ・グチ類
第7位 アマギ
第8位 ホタルジャコ
第9位 サワラ類
第10位 ナマコ

トップ5は毎年ほぼ常連ですが、ナマコが10位に食い込むとはなかなか意外でした。
前年に比べて65ポイントの増!だそうです。なかなかあなどれない魚種ですね。

全体的に暗い話題の多い八幡浜の水産業界ですが、漁業者の立場で若干明るい材料としては、ここ2年連続で僅かですが上昇に転じている「魚価(1kgあたりの平均単価)」です。あくまで全魚種の平均単価ですが、平成17年の488円に比べて平成18年は497円!よくいわれる中国向けの輸出の需要増や世界的な魚食ブーム、国内での食に関するニーズ変化、はたまた原油高なども間接的には影響しているのかもしれません。
いよいよ明後日でトロール漁も引きあがり!また漁獲量、魚種ともに不足する八幡浜の魚業界にとっては、ちょっと寂しい?夏の季節がやってきます。来年も八幡浜の水産業界、トロール業界にとって明るい兆しの見える年となりますように・・!


海のエコラベル

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久しぶりに現場で朝から干物作り、昨日水揚げされたメヒカリやホウボウの加工を手伝っておりました。海幸丸は予定通り10:00に出漁しました。時化の影響で、全国的に相場も若干上向いているようです。まず1日目はアマギ狙いの操業、順調に行って早いサイクルで入港できればいいのですが・・。午後は来週からの東京出張準備、夜はJC理事会にも出席しました。私が担当している事業も無事に審議通過しました。委員会の皆様、大変お疲れ様でした。

上のマークは「海のエコラベル」です。
海の生態系や漁業資源に配慮して水揚げされた水産物であることを証明するラベルだそうで、ロンドンに本部を置く認証機関“MSC(海洋管理協議会)”が発行しているものです。最近になって大手量販店がこのラベルをつけた商品の販売を開始したそうで、新聞等でも見かけることが多くなりました。環境保全への関心が高い欧米では浸透し始めているようですが、日本ではまだまだ認知度が低いようです。課題は認証取得のためのコストだそうですが、ISOやエコマークの漁業版!?といった感じでしょうか。
新聞情報によれば、現状ではキングサーモンやギンダラ等輸入水産物につけられているようです。国際基準ですから当然といえば当然ですが・・。日本の場合、行政主導で水産資源管理が行われているため、この規格が国内でどこまでの効力と付加価値があるのかは未知数です。まずは量販店の商品差別化に利用されるはずですが、今後の動向に注目したいところです。

春は桜鯛!?

明日行われる“省エネルギー技術導入促進事業”の普及説明会に出席するため、10:45の便で上京しました。提出書類があるため午後からは都内で資料の準備、夕方は海の幸のPRをお手伝いいただいている企業様も1社訪問させていただきました。漁業の話題や鮮魚流通や消費の動向などなど、いろいろと貴重な情報交換もさせていただきました。どうもありがとうございました。操業中の海幸丸は予定通り明日の入港予定です。中3日の操業で総数は1500箱前後になる見込みです。

東京の桜も今週末あたりからが見ごろとなるようです。今日は桜にちなんだ話題を一つ。
今日もデパートの鮮魚売り場を数ヵ所見てきましたのですが、毎年この季節になると、マダイのコーナーに“今が旬!桜鯛”というPOPが踊ります。桜の咲く季節のマダイは旬で美味しい・・というのが謳い文句です。たしかに鯛は鮮やかな桜色ですし、お祝い事の多いこの季節にも一番ふさわしい魚です。しかしながら“味”はといえば、実はこの時季の天然鯛は寒い冬に比べて劣ります。旬!といわれればつい味を連想してしまいがちですが、味の良し悪しだけが旬か否かの判断基準でもないわけです。特にこの桜鯛の場合は・・。
一口に旬といっても“味の旬”と“漁獲の旬”がありまして、双方が必ずしも一致するわけでもないのです。鯵(アジ)や鯖(サバ)、鰆(サワラ)や細魚(サヨリ)といった青物は比較的旬が決まっていますが、トロール漁の中心となる白身の場合は、一概に旬を特定するのが難しいのが現状です。ただお刺身用の白身魚の場合は、平均して暑い夏よりも寒い季節、秋から冬にかけて身が締まって味も良くなります。くれぐれも販促用のPOPや広告に惑わされませぬよう、皆様の肥えた舌で“目利き”をよろしくお願いいたします!

宇和海VS瀬戸内海

海幸丸は4:00に入港しました。1月最後の漁は中2日で、総数2250箱。まずまずの漁模様でした。やはり多い魚種は、ヤリイカ、アマギ、コウイカの3種。今回は久しぶりにヤリイカが“立ヤリ”、“バラヤリ”を合わせて1000箱を超えました。今季では、昨年9月、10月に多く水揚げされたヤリイカですが、この時期には産卵も終えて、魚体もかなり“スリム”に?なっています。それでも底値安定がヤリイカの良いところです。海幸丸は明日11:00まで“月末休み”に入ります。

こちらは500箱ほど水揚げされたアマギのセリ風景。

インターネットで魚の情報を発信するようになって、消費地の業務店の皆様からも数多く問い合わせをいただくようになりました。もちろん営業にも行った際は、取引先のお店に食事に伺います。特に当社の場合は、海幸丸で水揚げされるトロール物の“底魚”をお使いいただくケースが多く、メニューにも“網元直送の本日の鮮魚”という形でPRいただいています。
それで漁港名や海域も一緒に記載されている場合も多いのですが、大半の皆様は“八幡浜直送”で紹介いただいています。しかし不思議なことに海域名となるとなぜか“瀬戸内海”となってしまいます。ご承知のとおり、瀬戸内海は四国と中国地方に挟まれる内海でして、海幸丸が操業していて、八幡浜港が面しているのは“宇和海”にも関わらず・・です。東京で“八幡浜と瀬戸内海”がセットになったPOPを目にするたびに、“宇和海”のPRをするようにしてはいるのですが、いかんせん消費地のイメージでは、宇和海よりも瀬戸内(海)に軍配が上がるようです。
ちなみに松山あたりの料理店さまとお話させていただくと、宇和海ものよりも瀬戸内海の魚のほうが美味しい、という声をよく耳にします。こちらもそのたびに、瀬戸内ものに比べた宇和海物の豊富な魚種、脂の乗り具合などをPRすることにしています。いわく、瀬戸内海よりも広くて、太平洋にも通じる宇和海のほうが潮の流れが早くて、魚もよく泳いでいるから魚の味も濃い!というような感じで・・。
“お国自慢”と一緒で、我が町(港)の魚自慢をするのは日本全国一緒でしょうか?”おさかな君”を審査員に“お魚甲子園”を企画しても面白いかもしれません。八幡浜の”みなと活性化プロジェクト”のイベントにでもいかがでしょうか?何はともあれ、地域の自慢が特徴になっていくわけですし、やはりその土地で食べるからこそ美味しいわけで、“郷に入りては郷に従え”といったところでしょうか。
でも、海幸丸の海の幸をご愛顧いただいている皆様、海域だけは“宇和海”でのPR、よろしくお願いいたします!

6つのぎょしょく!

とある情報誌から文章の寄稿を依頼され、以前に書いたもので当サイト“コラム”欄にも掲載している文章を見直しておりました。それにしても“文章のクセ”とは面白いものです。私の場合は、長くて回りくどい?のが特徴ですが・・。「魚食文化を見直そう!」というのが今回のテーマですが、最近は学校給食でも“地産地消”へ向けた取り組みなども見られて良いですね。ただし、魚の場合は、“魚食普及”、“魚食推進”といいながら、学校や病院の現場では、ノルウェーや中国産のサーモンやサバばかりが積極的に食されるのも困ったものです。これでは大手商社の思うツボ!です。給食費未納?はもっと困りものですが!

当地愛媛県は、魚食普及に関しては先進県であること、皆様ご存知でしたか?私も知りませんでした。水産白書によれば、当県では、農林水産省の助成を受けて、総合的な「ぎょしょく教育」プログラムを展開中なのだそうです。
このプログラムはのコンセプトは何と!“6つのぎょしょく”!

6つのぎょしょくとは、「魚触」「魚色(嘱)」「魚職」「魚殖」「魚飾」「魚食」の6つ。

魚に直接触れたり、調理実習といった体験学習を行う「魚触」
魚の種類や栄養等の情報を学ぶ「魚色(嘱)」
魚の生産・流通現場を学ぶ「魚職・魚殖」
飾り海老や祝い鯛などの伝統的な魚文化を学ぶ「魚飾」
それらの学習プロセスを経て「魚食」に到達する(以上、水産白書より)

うまい!ざぶとんも1枚ずつ6枚!?・・

でも、期待できる面白い取り組みではないでしょうか。
魚食文化は、次世代に伝えていくべき本当に大切な、切実な問題です。
くだらない冗談をいっている場合ではありません
せっかくですから、本取り組みこそサーモンやタラや”骨なし魚”ではなく、
“地元愛媛で水揚げされる魚を骨ごと食べる”!でお願いできればと思います。
プログラムが”骨抜き”にならないためにも・・!?

日本の魚食文化を見直そう!

早朝4:30に海幸丸が入港しました。今日の水揚げ総数は2000箱あまり。例によって“ヤリイカ”が中心でした。10月1日からは“古満目沖”というヤリイカの漁場が新たに解禁となるのですが、はたしてこちらの漁模様はどんなものでしょうか?10月もうまくこの流れで乗り切れればいいのですが。
夜は地元のE新聞社の主催する“八幡浜経済研究会”の総会・懇親会に出席。日頃からお世話になっている先輩方との懇親を深めてまいりました。

先日、私の所属する中小企業診断協会愛媛県支部より、会員向け広報の原稿依頼を受けました。ちょうどNHKの“四国羅針盤”の放映直後でもあるため、日本人の魚食や漁業に関する話題で原稿を作成しました。以前、本ブログでも掲載した文章を膨らませた内容なのですが、ここに紹介いたします。

                                「日本の魚食文化を見直そう!」                                                

□魚介類の自給率と“食糧安保問題”
皆様は、我が国における魚介類の自給率が一体どのくらいかご存知でしょうか。平成17年度「水産白書」によれば、平成16年度の自給率は前年より2ポイント低下して、55%となっています。同白書によれば、自給率のピークは昭和39年で、実に113%でした。その後経済成長とともに、輸入量が国内生産量を大幅に上回り、40年を経た今日、自給率は半減し上記の数値(55%)となっています。
自給率低下の一つの要因として、戦後から今日にいたる国民の食生活の劇的な変化があります。食料支出額に占める品目・形態別の割合推移をみると、水産物に限らず生鮮3品は軒並み減少傾向で、急激な増加傾向にあるのが「外食」及び「調理食品」です。こうした食生活の変化を受けて、平成14年に策定された水産基本計画では、自給率の大幅な見直し(平成24年の目標数値:66%)が水産行政の大方針として掲げられています。また平成17年施行の「食育基本法」では、“食育を知育、徳育の基礎”と位置づけ、健全な食生活を実践できる教育を国の施策として推進することとなりました。
これらの施策に基づき、最近は全国規模で“地産地消”や生産者との交流が奨励されるなど、政府による“食の啓蒙活動”が盛んに行われています。これらの政策が自給率向上、ひいては農業、漁業の競争力強化に寄与するか否かは現時点では分かりません。しかし実は今、私たちの食生活に関連して、もう一つの大きな問題が取りざたされています。それが世界的な“魚食ブーム”の到来による水産資源の争奪戦、“食糧安保問題”です。

□中国経済成長のもたらすインパクト
これまで我が国では、大手量販店の伸長とともに、規格化された比較的安価な水産加工品が大量に輸入されてきました。年々、対面販売の魚屋が廃れ、スーパーやコンビニでの消費が主流となり、安心・安全と引き換えに、輸入冷凍水産品が市場を席巻する現象が起きているのはご承知のとおりです。しかし、昨今のBSE問題や中国の急速な経済成長、国際的な漁業規制の強化、燃料費の高騰など様々な要因により、水産資源の需給バランスが崩れ、国際間において“資源の争奪戦”が起こりつつあります。
この資源争奪戦において、最もインパクトのある要因が“中国の高度経済成長”です。中国における北京、上海などの都市沿岸部と内陸農村部の生活水準の格差は周知のとおりです。当面、我が国の食生活に影響を与えそうなのが、総人口(13億?)の約3割といわれる沿岸部の富裕層の胃袋です。中国都市部において、中進国並みの所得と購買力を持つ世帯人口は、既に3000万??5000万人に達しているとの報告もあります(「日経ビジネス」2006.1.30)。仮に2008年に開催される北京五輪後も今の成長率を維持するなら、近い将来、霜降り肉やマグロなど、高価な食材にも惜しみなくお金を払える富裕層が、億単位で増えることになるわけです。もともと「空飛ぶものは飛行機以外、4つ足のものは机以外全てを食す」といわれる大食文化をもつ国だけに、今後の中国国内の食糧消費が世界の食糧需給に大きな影響を与えるのは必至といえます。

□今こそ“魚食文化”を見直そう
実は中国の食糧消費による、需給バランス変化の兆候はすでに現れています。これまで日本の大手量販店は、商社を通じて中国その他で生産された冷凍水産品を大量に買い付けてきました。しかし近年、中国での需要拡大と世界的な魚食ブームの影響で、相場において日本が買い負ける現象が顕著になりつつあります。これまで、日本向けの安価な水産品の加工は、輸出国にとって一大ビジネスとなっていたわけですが、最近は中国をはじめとした大消費国との間で、購入における“競争関係”が生まれ、上述の“水産資源の争奪戦”の様相を呈しているわけです。
例えば“ノルウェー産”で有名なサバを例にとると、日本は10万トンのサバを輸入しつつ、2.6万トンのサバを輸出しているという現象があります。つまり日本人に好まれる、脂の乗った大きなサイズのサバを輸入して、国内では見向きもされない小さなサバを海外へ輸出しているのです。高級サバが1kあたり2500円を超えるのに対して、輸出用サバは1kわずか65円。最貧のアフリカですら日本の1.5倍の値付けをしているとのことです(「週刊ダイヤモンド」2006.8.5)。この現象こそ、食に対する日本人の危機意識のなさの表れといえます。
安価な水産物はいつでも手に入った時代は、もはや過去のものとなりました。札束で食料が買えるのは日本だけではなくなったのです。近い将来、“お金があっても食料がない”という時代すら来ないとも限りません。我が国としては、あらゆる施策を講じて先進国としての健全な食料自給率を確保することが急務の課題です。同時に、商売上安易な海外の水産加工品を信奉する食品メーカーや大手量販店の経営体質、そして、それらを好んで購入する私たち消費者の意識も早急に改めるべきではないでしょうか。その第一段階として、日常生活での飽食を反省するとともに、国内の近海鮮魚にもっと目を向けるべきだと考えます。国内水産物を自国で消費することこそが、日本古来の魚食文化を維持し、同時に生産者である漁業者の競争力を高め、国の自給率向上に寄与することができるのですから。

(2006.9.26中小企業診断協会愛媛県支部会報掲載予定)

鹿児島沖で操業中

海幸丸は昨日の出漁後、鹿児島沖のポイントへ直行。現在操業中です。初入港はトラック便にて、鹿児島県山川港で荷揚げを行う段取りで、八幡浜での初競りは4日朝の予定です。まだ具体的な漁獲魚種の情報は入ってきていませんが、鹿児島沖の漁場は種類が豊富なため、豊富な魚種と単価の高い魚の豊漁を期待しています。上は湾内周回を終えて漁場へ向かう海幸丸です!

今期、八幡浜のトロール漁船で9月の解禁日から出漁したのは海幸丸1統のみでした。会社にとっても乗組員にとっても、まさに独りぼっちで孤独な船出となってしまいました。1社で操業することで、よく漁場や価格の面でメリットが多いようにいわれることも多いのですが、実は全くそんなことはありません。
例えば漁場。中型トロール船の許可海域は豊後水道南沖から宮崎、鹿児島沖、高知沖と広い範囲に及びます。もちろん漁場ごとに漁獲魚種も異なるわけで、漁労長は各々の魚種の単価と水揚げ状況、天候等を考慮しながら漁場を選定します。その際、これまではお互いのトロール船がいろんなポイントで操業していたため、各社の様々な漁獲情報を得ることができていたのですが、一統のみではこれが全く不可能です。いわば広い暗黒の海をまさに“暗中模索”の状態で操業せざるを得ないわけです。
次に単価。これも単純に相対的なトロールの水揚げ量が減少したからといって、すぐに漁価が跳ね上がるというわけにはいきません。八幡浜市場には、昭和20年代の全盛期には27統54隻ものトロール船が操業していました。こうした歴史を背景に、全国の中央市場に商品を安定供給する“出荷市場”としての機能を担ってきたわけです。ここ10年の単位では、凡そ5統10隻のトロール船が毎年出漁していました。そのため、毎朝ある程度の水揚げ量はあったために、消費地に対する一定の供給力は確保されてきました。ところが一統のみとなれば、安定的な供給力はまず望めません。つまり、出荷市場としての八幡浜市場に対する消費地(中央市場)の信用度が落ちてしまうわけです。このあたりは全国への出荷を手がける八幡浜の大手仲卸業者の最も危惧する点かもしれません。
次に市場や関係県に対する発言力です。以前はトロール業者のみで業種別の組合が作られていましたが、経営体が減少したため、数年前にいろんな漁業に従事する生産者の組合と合併しています。小さな話ですが、市場内の水揚げ場所や係留場所にしても以前は広い場所が確保されていたのが、今は狭い場所しか確保されず夜間入港の多い時季は非効率な操業と仕事を余儀なくされています。

一社操業にはこうしたマイナス面がありますが、漁業全体で明るい兆しとして実感しているのが、国内の食の安全志向の高まりと対中国韓国向けの輸出増加です。今後も漁業と流通を一体で取り組むことで、何とかこの難局を乗り越えて活路を見出したいものです。ここのところお魚の紹介がご無沙汰ぎみですが、トロール漁も始まりましたので、随時掲載していきますのでお楽しみに!

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