« 明日金曜入港です! | メイン | 天敵襲来!油断は大敵! »

2008年11月14日

[Ⅶ 実践経営学]

神は細部に宿る

今朝は4:30入港、今回は短い操業のためヤリイカ、水エソ以外の丸魚はほとんどなく総数は1,000箱でした。常にブログネタになる珍しい魚を探し求めている私、そして海幸丸の天然魚を心待ちにしていただいてる全国のお取引先の皆さまには、少し物足りない魚種構成・・でした。荷揚げ後は少し時間をとって10:00に出漁、次回は17日(月)まで漁をして“中休み”に入る予定です。

今日は取り上げるべき魚もいないので、ビジネスの話題を少し・・。言わずと知れた“アウトソーシング”についてです。

業務のある特定分野を他の専門事業者に委託する“アウトソーシング”、自社の専門性と他社の優位性を生かすビジネスシステムで、コスト効率の点からも、長年多くの企業が採用してきた経営手法の一つです。たしかに自社の専門分野に資源と意識を集中するには、上手く業務の外部委託、アウトソーシングを活用する必要があります。が、最近読んだ本でまさにこのアウトソーシングの本質的な盲点について触れたものに出会いましたので、少し整理・メモしてみます。それは、アウトソースの強調が生み出す組織内の“妙な力学”です。

① コスト圧力の力学

アウトソースの目的の一つがコスト削減ですが、本来自社でやらなくてもよい業務のアウトソースで成果が表れ、コスト効率が上がると、他の業務でもアウトソースを考えよ、という圧力が強まります。その結果、本来は他社に任せてはならない業務もアウトソースしかねない、という危険性を孕んでしまいます。成功体験が生む弊害ともいえる力学ではないでしょうか。

② 仕事の細部をバカにする力学

従来は社内で行っていた業務を他社に任せると、それらの仕事は重要ではないと考えてしまうのが人情で、それが行き過ぎると「細かい仕事」を軽視する、バカにする風土が組織内に生まれます。仕事は「細かな仕事」の積み上げで成り立っていること、“神は細部に宿る”ことを忘れてしまいがちになるのが、この力学といえます。

③ 手配師の力学

行き過ぎたアウトソースによって、業務の外部委託(=手配)そのものが社内業務の中核となって(錯覚?)しまい、企業が本来持っているべきコア能力を侵食されてしまいかねない、という力学です。
仕事をするということは、その業務の結果がもたらされるというだけでなく、その実行のプロセスで携わっている人が“学習”する過程でもあるわけです。他人にある仕事を任せれば、その仕事に関して流れる情報を他人が手に入れることになり、長期間にわたってこれが続けられれば、情報・能力は遂行する当人に蓄積されていきます。それらの情報とコア能力の関連性が強ければ強いほど、アウトソースによるコア能力の侵食も大きくなってしまいます。仕事の場に流れる情報とそこから起きる“学習プロセス”は目に見えないだけに、軽視される傾向があるわけです。

以上、伊丹敬之氏の新刊「経営の力学」(第7章:神は細部に宿る)より、簡単に要約してみました。

本質的な盲点はやはり③「手配師の力学」ではないでしょうか。
中小企業にとって、時間や人材、労力、お金といった限られた資源を得意分野に集中することが大切な一方で、どんな細かな仕事にも、従事し続けることで得られる“情報・能力の蓄積”があって、その積み重ねから企業が本来持つべき中核能力が形成されていく、という側面も常に忘れないよう心掛けたいものです。

投稿者 E.miyamoto : 2008年11月14日 17:59

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.uwakai.com/blog/admin/ichie_tb.cgi/853

コメント

コメントしてください




保存しますか?