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2008年01月11日

[ⅰ 一語一会]

新しい人間観の提唱

気温はさほどでもないですが、午後からは雨模様の八幡浜でした。大洲神社では、昨日今日と「十日恵比須」が行われていましたが今回は結局行けず・・。ジョギングも迷ったあげく雨のため中止・・。夜は昨年末から読んでいる「甲陽軍鑑」を手にとってみましたが、第二部「武田家興亡史」のところでこちらも挫折・・、最近、耐性が衰えてしまったのか?そんなものは最初から備わっていないのか??よく分かりませんが・・。

話は変わって今朝のトップニュースは、松下電器産業の社名変更の話題。「ナショナル」ブランドを廃止して、「パナソニック」にブランド統一を図るという思い切った決断です。世界市場を見据えたグローバル戦略の一環とのことで、社名変更に要する経費が概算で300億円といいますから、私たちのような弱小零細には想像を絶する戦略的意思決定です。が、やはり注目は社名からあの松下幸之助氏の名前が外れることです。「水道哲学」で知られる強固な経営理念が今日の松下を築いたのは事実、で今もそのカリスマは社風に根付いているのでしょうが、新たな世界競争には、既存の「ナショナル」ブランドに付きまとう大衆イメージが足枷になる一面もあるようです。この意思決定がはたして吉と出るか凶と出るか・・。これまでの経営者は創業者に気兼ねして出来なかったといわれる“聖域”にまで踏み込んだ大坪社長の大英断ですが、こちらの功罪も政治家の仕事と同じで、審判が下るには一定の時、歴史を刻まなければ評価も定まらない、というところではないでしょうか。今後の松下(パナソニックか?)に注目したいところです。
というわけで、たった今ほこりをかぶった松下幸之助さんの本を書棚から引っ張り出してみましたので、ついでに記録してお勉強してみます。偉大な経営者の発する言葉というのは、まさに哲人(仙人、いややっぱ神様か!?)のようです。最近では稲盛和夫さんがこの境地に入りつつあるような気がしますが・・。

「新しい人間観の提唱」

宇宙に存在するすべてのものは、つねに生成し、たえず発展する。
万物は日に新たであり、生成発展は自然の理法である。
人間には、この宇宙の動きに順応しつつ万物を支配する力が、その本性として与えられている。
人間は、たえず生成発展する宇宙に君臨し、宇宙にひそむ偉大なる力を開発し、万物に与えられたるそれぞれの本質を見出しながら、これを生かし活用することによって、物心一如の真の繁栄を生み出すことができるのである。
かかる人間の特性は、自然の理法によって与えられた天命である。
この天命が与えられているために、人間は万物の王者となり、その支配者となる。すなわち人間は、この天命に基づいて善悪を判断し、是非を定め、いっさいのものの存在理由を明らかにする。
そしてなにものもかかる人間の判定を否定することはできない。まことに人間は崇高にして偉大な存在である。
このすぐれた特性を与えられた人間も、個々の現実の姿を見れば、必ずしも公正にして力強い存在とはいえない。人間はつねに繁栄を求めつつも往々にして貧困に陥り、平和を願いつつもいつしか争いに明け暮れ、幸福を得んとしてしばしば不幸におそわれてきている。
かかる人間の現実の姿こそ、みずからに与えられた天命を悟らず、個々の利害得失や知恵才覚にとらわれて歩まんとする結果にほかならない。
すなわち、人間の偉大さは、個々の知恵、個々の力ではこれを十分に発揮することはできない。古今東西の先哲諸聖をはじめ幾多の人びとの知恵が、自由に、何のさまたげも受けずして高められつつ融合されていくとき、その時々の総和の知恵は衆知となって天命を生かすのである。まさに衆知こそ、自然の理法をひろく共同生活の上に具現せしめ、人間の天命を発揮させる最大の力である。
まことに人間は崇高にして偉大な存在である。お互いにこの人間の偉大さを悟り、その天命を自覚し、衆知を高めつつ生成発展の大業を営まなければならない。
長久なる人間の使命は、この天命を自覚実践することにある。この使命の意義を明らかにし、その達成を期せんがため、ここに新しい人間観を提唱するものである。

昭和47年(1972年)5月  松下幸之助

「人間を考える」―新しい人間観の提唱―(松下幸之助)PHP研究所より

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投稿者 E.miyamoto : 2008年01月11日 23:56

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