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2007年11月28日

[Ⅱ 一日一魚]

紋甲烏賊(モンゴウイカ)

今朝の魚市場は休み明けのせいか、全体的に産地物・搬入物ともにやや多めでした。海幸丸の水揚げも総数で2600箱とまずまずの豊漁でしたが、相場はやはりかなりの“下げ”・・となりました。特に練製品の原材料関連の供給量が多いためか、例年同時期に比べて低価格なのが12月を目前にして少々気がかりです。荷揚げ後は11月の最終航海へ、次回の入港で“月末休み”をとる予定です。

昨年から水揚げの増えたヤリイカ、当然“酒飲み一家”の我が家では、売れ残りのハンパ物やキズ物のイカを持ち帰っては、刺身やリングフライ、イカ飯といろんな料理でいただいております。が、イカは何もヤリイカだけではありません。昨年からはヤリイカの陰に隠れてしまって、市場でもかなり肩身の狭い思いをしているのがこちらのコウイカ(紋甲イカ)です。何を隠そう数年前まではトロール船で水揚げされるイカといえば、ヤリイカよりもコウイカのほうが水揚げ量も多かったのです。特に鮮魚の相場が芳しくない9月??11月は、価格の安定するこのコウイカを目的に操業していた時期も長かったのです。今日は、昨年からのヤリイカ豊漁で、すっかり主役の座を奪われてしまった紋甲烏賊(コウイカ)をご紹介いたしましょう。

コウイカは漢字で書くと「甲烏賊」です。コウイカの“コウ”は甲羅の甲で、イカの胴体部分に白い舟形の甲殻を持つことから、コウイカ(甲烏賊)と呼ばれるようになりました。また、捕獲された時に大量の墨を吐くことから、釣り人には“墨烏賊”とも呼ばれています。この墨ですが、鮮度の良い状態のイカほど濃い大量の墨を含んでいて、調理の際には、墨袋を裂かさないように、丁寧に扱うことが肝心です。ひとたびこの墨を裂かそうものなら、まな板どころか、床まで“真っ黒クロスケ”に!なってしまいます・・。
このコウイカの墨ですが、大昔は顔料や染料、インクとしても珍重されていたようです。私の所有する「現代おさかな事典」(NTS)によれば、茶褐色を表す「セピア」の語源は、昔、顔料として使っていたコウイカ(Sepia esuculenta Hoyle)からきているのだそうです。また、かの天才音楽家モーツァルトがコウイカの墨(インク)で書いた楽譜は今も現存しているとのことです。面白いものです。この墨を使って創作書道やイラストなどやってみても良いかも知れませんね。

さて肝心の食感ですが、ヤリイカやスルメイカよりも身が厚くて柔らかいのが特徴です。甘さはアオリイカには及びませんが、本来のイカの歯ごたえと食感を楽しみたい方にはこのコウイカがお薦めです。お刺身以外では一夜干し、また身が厚いため、中華風の炒め物にも一番向いているイカかと思われます。
全国的にも漁獲の中心は“底曳き漁”で、海幸丸では時に1杯/1.5kgを超えるような超ビッグサイズのコウイカも水揚げされています。コウイカはさばいた後も、身のみをラップにくるんでご家庭の冷凍庫でも長期保存が効きますので、いろんな料理でお使いいただける、まさに万能イカなのです!ヤリイカも美味しいですが、このコウイカもどうぞお忘れなく!!

コウイカ干.jpg

こちらは今や貴重品!?となってしまった「海幸丸のコウイカ一夜干し」です。

投稿者 E.miyamoto : 2007年11月28日 19:57

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